我がまち香椎の激旨”中華料理店”を紹介します。
香椎の町で「宇宙軒」の名前を知らない人は恐らく居ないと思います。
 
場所は香椎宮参道(勅使道)、鹿児島本線参道踏み切りを渡って徒歩一分、左側です。
近くには「カフェ」、「ブティック」、「ケーキ屋」、「イタリア料理店」などしゃれた店が立ち並んでいます。
 
                                                 宇宙軒
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「宇宙軒」、中華料理店らしくない屋号ですが、そのお話は後ほど。
 
上の写真左下に少しだけ椅子が見えます。数席置いてありますが、これは満席時にお待ちいただく為の椅子です。
日にもよりますが予約をしておかないと昼も夜も入れません。
今日は敢えて午後210分過ぎに来ましたので、一段落した様子でした。
 
                         宇宙軒店内
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窓側のカウンター席とテーブルで30席ほどでしょうか。
まずはガラスのポットに入った冷たい「中国茶」が運ばれてきました。
 
                            中国茶
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ウーロン茶とは違う柔らかい味です。飲みやすく、とても美味しいです。
お聞きしますと「ドクダミ茶」をブレンドした特製のお茶。体に良い感じ。
 
今日のお昼ご飯として注文したのは、「やわらか皿うどん」。
高校生の時に中州の「鹿鳴春」で”皿うどん”を食べてから好きになりました。
 
                         やわらか皿うどん
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うっちゃんが”皿うどん”(柔麺)を食べるお店は「宇宙軒」と「八仙閣」ですかね。
 
今、お客様が薦める「宇宙軒」の一押しは「タンタン麺」ではないでしょうか?
この皆さんの評価には異論ありません。
だって、現オーナーは四川料理の鉄人・陳 健一氏のもとで修業されて来たのですから。
 
でも昭和30年代から高い人気を得続けているのは”皿うどん”なのです。
ちょっと薄味で上品に感じます。三代にわたり永く受け継がれてきた味です。
 
 
もう直ぐ夏がやってきます。夏期限定の一押しメニューを紹介します。
「冷やしタンタン麺」です。昨年8月食べた時に撮った写真です。
 
                        「冷やしタンタン麺」
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一度トライして下さい。間違いなく美味しいです。
 
会計の時、カウンターの壁に色紙と写真が貼ってありました。
 
                         色紙と写真
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”めんたいワイド”の「すぎやまさんきゅう」さん、香椎宮に鳴門部屋があった時の「稀勢の里関」、「博多大丸・華丸」さん・・・ですかね。
 
お会計を済ませて外に出ると右横に大きな「クスノキ」が立っています。
大正15211日(建国記念日)に福岡県の各自治体が植えた165本の内の1本です。
ちなみに店の前の「クスノキ」は当時の糟屋郡須恵町青年団が植えました。
 
                糟屋郡須恵町青年団が植えた店前のクスノキ
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大正15211日(建国記念日)当日の様子などは「香椎参道クスノキ」を参照下さい。
 
「宇宙軒」は初めはこの場所ではなく、香椎駅前(現在のマクドナルド香椎店右横)からスタートしました。
「宇宙軒」という屋号も含めて少しご紹介します。
 
 
平成19年、松本清張の「点と線」がテレビ朝日”によってドラマ化され放映されました。
主演が「ビート・たけし」さんでしたから、覚えておられる方も多いでしょう。
推理小説で映画化もされました。香椎で事件が起きたのが昭和33年の話です。
TVドラマのセットに香椎駅前通りの「宇宙軒」がでています。
 
                    TVセットの中の「宇宙軒」
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昭和33年~35年の間に撮られた実際の写真があります。見比べてください。
 
               同場所の実際の写真  (昭和33年~35年頃)
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道路角から手前二軒目に「宇宙軒」が見えます。TVセットの「宇宙軒」の位置は正確に定められていますね。
少し見えにくいですが、軒上の看板には”支那そば・ぎょうざ”の大文字、その下に”宇宙軒”と書かれています。
現在「マクドナルド」が入っている建物には、当時「三菱家庭電気」の看板がみえます。
道路(唐津街道)の向かい(現在パチンコ屋さん)には、当時は「安川タクシー」(現在は3号線に移転)の看板が架かっていました。
 
先週、現場の写真を撮りにいきました。現在、香椎は区画整備が進み町並みが日々変わりつつあります。
 
                       現在の同じ場所
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「宇宙軒」があった場所は既に更地になっています。 ”マクドナルド”も移転するでしょう。昔の面影はなくなってしまいます。
 
さて、昭和33年~35年の頃の写真では既に「宇宙軒」の屋号が写っています。
1957年(昭和32年)104日、旧ソビエト連邦が世界で一番最初に人工衛星を打ち上げます。「スプートニク1号」。直径58cmの球形、重量83kgほどの、今では考えられないほどの小さな人工衛星でした。しかし、人類にとっては宇宙開発の偉大な一歩だったのです。その成功のニュースは全世界を巡りました。
「宇宙軒」三代目の現オーナーの祖母は戦後、満州から帰ってきました。この香椎の町で昭和31年、”支那そば”のお店を開いています。
そして昭和3210月、人工衛星のニュースを新聞で読んだのでしょう。
祖母がハッと閃いて言ったそうです。「宇宙ほど大きく拡がるものはない」。
この一言がスケールの大きな「宇宙軒」という屋号になった由来です。
 
「宇宙軒」さん、香椎のシンボルとして、末永く美味しい中華料理をお願いします。
 
 
*「点と線」セット画像は”テレビ朝日”、昭和33年~35年の頃の画像は”香椎タウンストーリー”さんからお借りしました。
 
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