人間というやつは、年を取ってくると腰を曲げての作業は辛いもの。なかんずく農作業は、腰を曲げての労働だから身に堪える。

 

ボクはツレに、懇願したのだった、
「あのさぁ、俺も寄る年波に勝てない。腰もしんどいし、膝もガクガクする。どうだぁ!思い切って、作付け面積を半分にしないか?ジャガイモや玉ネギなんて、そんなもん、たくさん作る必要があるんかぁ?」
「わたし、孫たちに美味しい有機野菜を、たくさん送ってやりたいのよ」
「そう言うけど、いつもネズミのエサを作っているだけじゃないかぁ?」
「だったら、何か対策を講じてよ!いつも言っているじゃな~い、『身体ばかり、動かすんじゃなくて、オツムを使え!』って、見本を見せてよ!」
「・・・・」
「わたし、作付け面積を半分に減らしても、生産量は今年と同じだけ確保したいの!孫たちも、どんどん成長するでしょ!」

 

              窓辺にグリーンカーテンにササゲを植えた。なんとバケツ3杯の収穫が・・

今回は、この難問について考えてみたい。ただ作業を楽にするだけなら耕運機を買えばいい。ほかにも、不耕起栽培という手もある。額に汗して、何も無理に四つん這いになって働くこともない。作付け面積を半分にして、収量を例年の倍にすれば、いままでと同じ成果を上げることができる。そこには、いくつかの問題がある、そのひとつはネズミ対策楽な作業方法、連作被害への対策である。


作物というのは、一般に同じ作物を続けて栽培するのを嫌う。同じ作物ばかりではないケースもある。例えば、ジャガイモを作って、翌年にナスやピーマン、トマトを作ることも許されない。同じナス科の植物だからである。土壌を農薬を施して消毒をする方法もあるが、ボクは有機農法に徹したい。

 

           今年はタマネギの密植を試みた。成功すれば、面積あたり収穫は倍になる・・

次は、単位面積当たりの収量を増やす方法である。ひとつの方法として密植栽培という手がある。例年、玉ネぎを1000個近く作っている。マニュアルには20cm 間隔で植えろと書いてある。こんなもの12cm でも10cm でも良いのである、思い切って間隔を半分にした。これだけで、面積が半分で済む。その上にトウ立ちも減少するらしい。


もう一つの課題は、土地の有効利用である。立体栽培・空中栽培・袋栽培という方法を研究している。今年はサツマイモとヤマイモを袋栽培で作って、ネズミの被害がゼロだった。来年も試そうと思っている。
 

       写真は、ヤマイモを袋栽培をしてみた。収穫は驚くほど多く、簡単だった。来年は倍にしたい

サツマイモの袋栽培をすると、芋の蔓を上に巻き上げると地べたに広く這わせる必要もない。これはカボチャの空中栽培で実証済みである。土地の多重利用ならば、ほかにも混植という手もある。コンパニオンプランツという、野菜の仲良しごっこである。

この夏窓辺のグリーンカーテンに、ササゲを採用してヒットだった。ただ、この豆というのは、連作を嫌う、じゃあどうするか?そんなこと簡単である。麻袋に土を入れて、横に寝かせて苗を植える。同じ場所でも袋の土を取り替えるだけで、毎年繰り返し植えることができる。トマトだって、キュウリだってなんだって袋の活用ができる。

 

大学時代の友人に、一杯飲んで電話で自慢したら、敵は言いやがった、

「偉そうに言うけど、何の役に立つんや?遊休地や耕作放棄地がいっぱいあるんやろ?」

「ハイ!世迷いごとです、遊びです!蓼食う虫も好き好きで、趣味です、ハイ!」