友人が、私に問う。「死にたいほど退屈な時どうする?」と悩みを投げかけてきた。「女房が、オレをまったく相手にしてくれないんだ。寂しいんだ。もう一度サラリーマンに戻りたい」と。

 この悩み、暇つぶしに、少し考察して見たい。私の場合も共通するものがある。確かに、60代も後半に入ると、話題が陳腐なせいか、オレの言葉に、上の空。話しかけると、迷惑そうな顔すらすることもしばしば・・・。

 かっての、会社人間が、定年退職をした後、世間は、彼らを、①<濡れ落ち葉>、②<ワシも族>、③<下駄の雪>と称した。読者諸姉諸兄は、その意味を先刻ご承知と思うが、念のため以下に書き留める。



 ①<濡れ落ち葉>は、いつも、どこに行くにも、付いてきて、離れない夫。秋になって、庭の落ち葉を掃こうとするも、ホウキにまつわりついて、離れない様に似てるという。仕事人間だった夫は、定年後、家では邪魔な存在以外の何者でもないそうな。

 定年前も、現在も、<濡れ落ち葉>などと絶対に、、カミさんに言われたくないと思っていた私だが、つい、カミさんが、出かける支度をすると、どこへ行くのかと問いたくなる。これは、いったいどうしたことか。



 ②<ワシも族>定年で、毎日が日曜日状態になったお父さん、家でやることもなく、TVを見るでもない、新聞を読むでもなく、ただゴロゴロしている。妻がどこかへ行こうとすると「ワシも一緒に行く」と言ってついて来る。目標を見失ったお父さん。一方、お母さんは、茶のみ友だちや孫の世話で大忙し。


 ③下駄の雪、これも、どちらかというと<ワシも族>に似ている。しかし、ここは思い切って、 女房族にこういう風に、言わせてみたいもの。「長い間の、会社のお勤め苦労様でした。これからも、どこまでも離れることなく貴方について行きますわ」とね。しかし、ご同輩、下駄についた雪もいつかは、融けて離れてしまう。そんな夢は、叶わないモノ。



いつか、TV番組で、やっていたが、女房族から、疎まれる<濡れ落ち葉>族の傾向は、以下のようです、3つ以上当てはまるはまると問題ですぞ。



  ○近所で人当たりが良いが、家では無口だ
  ○夫が家事をするのは「手伝い」と思う
  ○妻の予定や行動をよくチェックしている
  ○妻にはつい、つらく当たってしまう
  ○妻の家事に手は出さないけど、口は出す
  ○妻のお出かけにはよくついていく
  ○妻子を養ってきたとの自負がある