J.S.バッハ作曲 マタイ受難曲 磯山 雅 (Tadashi)著 | kasatakakt66

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睡蓮(すいれん)

                                     

現役時代の同僚に「バッハはトッカータとフーガしか解らない!」と言うと同僚が「それは勿体ないマタイ受難曲を聴いてみたら!」と教えてくれました。

ここからバッハの音楽に入っていくことが出来ました。
同僚には、今でも感謝しています。

このマタイ受難曲をもう少し掘り下げてみたくなり、
磯山 雅 著「マタイ受難曲」を5月の連休より読み始めました。

 


 

でも、かなり内容が難解でありとうとうお助け『ようこそ!Dr.町田のホームページ』で理解を深めることができました。
Dr.町田 に敬意を表します。

また多くを以下にコピペにて拝借させていただきました。

 

 


 
マタイ受難曲の構造
 マタイ受難曲は第一部と第二部の二部構成をとっている。第一部はイエスが捕縛されるまでを扱い、第二部ではイエスが捕縛されてからピラトのもとで裁判を受け、いかさま裁判によって十字架につけられ、刑死した後、その墓が封印されるまでを扱っている。
二部構成になっているのはバッハ存命当時の聖トーマス教会と聖ニコライ教会において、第一部と第二部の間に説教がなされたからである。

   
冒頭の合唱 から始まり

第2~10番 イエスの十字架の預言

第11~19番 最後の晩餐とユダの裏切り

第20~23番 イエスの預言(ペテロの否認と自らの復活の預言)

第24~32番前半 イエスの祈りと苦悩・だらしない弟子たち
 
第32番後半~36番 イエスの捕縛
 
第37~44番 イエスの裁判始まる

第45~48番 ペテロの否認


第45曲のバラバを!
のところが、私はいままでとんだ勘違いをしていました。
バラバを十字架に磔にせよと叫んでいると思っていました。
ところが、祭りの際には民衆の望む囚人をひとり、釈放する習いだった。と
福音書記者が説明するところがあったのです!


バラバを!   磯山 雅 著 (より抜粋)
第45曲a
福音書記者      ところで総督は祭の際に
Evangelista.   Auf das Fest aber hatte der Landpfleger Gewohnheit,

民衆の望む囚人をひとり、釈放する習いだった。
dem Volk einen Gefangenen loszugeben, welchen sie wollten.

彼のもとには当時並み外れた囚人がいて、
Er hatte aber zu der Zeit einen Gefangenen, einen sonderlichen vor andern,

その名をバラバと言った。
der hieß Barrabas.

民衆が集まってきたとき、ピラトは彼らに言った。
Und da sie versammlet waren, sprach Pilatus zu ihnen:

ビラト   どちらの釈放を望むか?
Pilates.  Welchen wollet ihr, daß ich euch losgebe?

バラバか、それとも、キリストだと言われるイエスか。
Barrabam oder Jesum, von dem gesaget wird, er sei Christus?

福音書記者。なぜなら彼は、イエスがねたみのために渡されたことをよく知っていたからである。
Evangelista. Denn er wußte wohl, daß sie ihn aus Neid uberantwortet hatten. 

彼(ピラト)が裁きの席に座っていると、
 Und da er auf dem Richtstuhl saß,

彼の妻が人をやって、こう言わせた。
schickete sein Weib zu ihm und ließ ihm sagen .

ピラトの妻 この正しい人とかかわりませぬように。
Uxor Pilati, Habe du nichts zu schaffen mit diesem Gerechten.

この人のことで、今日夢でずいぶんうなされました!
ich habe heute viel erlitten im Traum von seinetwegen!

福音書記者  しかし祭司長たちと長老たちは民衆を説得して、
E nglista. Aber die Hohenpriester und die Altesten überredeten das Volk, 

バラバの釈放とイエスの処刑を求めさせた。
daß sie um Barrabam bitten sollten und Jesum umbrachten.

そこで総督は答えて言った。
Da antwortete nun der Landpfleger und sprach zu ihnen

ピラト  この二人のうちのどちらを釈放しろと言うのか。
 Pilatus. Welchen wollt ihr unter diesen zweien, den ich euch soll losgeben? 

福音書記者  彼らは言った。
Evangelista.   Sie sprachen.

合唱I/Ⅱ  バラバを!
Chor (1/II)    Barrabam!


福音書記者  ピラトは彼らに言った。
 Evangelista.   Pilatus sprach zu ihnen: 

ピラト  では、キリストだと言われるイエスは、いったいどうしろと言うのか?
 Pilates. Was soll ich denn machen mit Jesu, von dem gesagt wird, er sei Christus?

福音書記者 彼らはこぞって言った。
Evangeliste. Sie sprachen alle:

第45曲 b
合唱Ⅰ /Ⅱ    十字架につけろ!
Chor (I/II)    Lab ihn kreuzigen!

つまり、十字架につけられたのは、バラバではなくてイエスと二人の囚人だったのです。

第49~53番 ユダの自殺
第54~66番 イエスの処刑の確定、イエスの連行
第67~78番 イエスの死

こうして、マタイ受難曲は冒頭の合唱から始まり
重厚であり、
おごそかであり
また静謐(せいひつ)でもある
演奏には、3時間近い時間を必要とするバッハの大作、名曲中の名曲がおわります。


まだの方は是非一度聴いてみてください。いや5,6回は聴いてみてください。

まず初めにハイライト盤からが入り易いと思います。

参考にさせていただきました: 
アルパカと聴く 幸福なクラシック
https://www.alpacablog.jp/entry/bach-matthaus-passion
Dr.Mのホームページ J.S.バッハ マタイ受難曲
http://www7.plala.or.jp/machikun/matai1.htm

              おしまい