森羅万象から学ぶ人生羅針盤「丸く収める芸を身に付ける」 | kasai-teruoのブログ

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森羅万象から学ぶ人生羅針盤「丸く収める芸を身に付ける」

 

 映画監督の大島渚氏と女優の小山明子氏の、結婚30周年を祝うパーティーで、大島氏と仲の良い作家の野坂昭如氏が、会場の壇上で大島氏をグーで殴った映像は何度もテレビで流れています。

 

 実は大島氏は野坂氏に、事前に祝いのスピーチを依頼していたのです。しかし式次第が進行するも、大島氏は野坂氏の姿を発見できなかったのです。「あいつ、酔っ払って帰りやがったんだな。しょうがない野郎だ」と大島氏は思い、野坂氏のスピーチを諦めたのでした。

 

そして散会する段階になって目の前に野坂氏を発見し、三々五々散っていく来客に「みなさん。最後に野坂さんに一言頂戴したいと思います」といって足止めをかけたのです。

 

 実は野坂さんはずっと壇のそばにいたのですが、大島氏が気付かず、いつまでたってもスピーチの声がかからないのでイライラしていたのです。そしてよりによって散会のどさくさにスピーチをさせられたことに怒りが爆発し、お酒も入っていたこともあって、祝いの席であるにも拘らず、大島氏の顔面を殴打したのです。

 

 いくら仲が良いとは言え、野坂氏の行為はあまりにも子供じみています。私も若いころはとんがっていましたが、それでもこんなことはしませんでした。そして私が野坂氏なら次のように言うでしょう。

 

 「みなさん。この男は人にスピーチを頼んでおきながら、うっかり忘れてこの有様です。そんな馬鹿野郎に30年も寄り添ってこられた奥様の小山明子さんは、実に素晴らしくまさに女房の鑑(かがみ)と言えましょう。最後に改めて小山さんを讃える拍手をお願いいたします」

 

 こう言えば何もかもが丸く収まるのです。自分が大人の年齢に達していると思ったら、このくらいの芸当の1つや2つは、いつでもできるように準備しておきましょう。