森羅万象から学ぶ人生羅針盤「肩書に気を付ける」
世の中の企業トップだけでなく、一般の管理職でも肩書に固執する人がいます。昇進した肩書を知らず、以前の肩書で呼ぶと「部長なんだけど」と不愉快な物言いをする人などがそうです。
その逆に、肩書にこだわらずむしろ「○○さん」と名前で呼ばれることを好む人もたくさんいます。そうした使い分けをしないと不快に思われるので気をつけてください。
なぜ肩書にこだわるかと言えば、自分のステイタスであり、アイデンティティでもあるからです。その肩書へのこだわりをエスカレートさせた人の中に、いわゆる“資格マニア”と呼ばれる方がいます。
いただいたお名刺を拝見すると、会社の肩書の他に「○○士(師)」という資格をたくさん羅列しています。時には表面(おもてめん)だけに収まりきれず、裏面にまで取得した資格が書いてあります。
しかしその資格をよく見ると、本業はおろか個人的な趣味とも一切関係の無いものが含まれていることがよくあります。これは資格を取って役立てることが目的ではなく、資格取得自体が目的となっており、取得したら後は名刺に刷り込んでお終いなのです。
また、国家資格なのか、お金を払って1日だけ講習を受けて取得できる民間資格なのかにも注意しましょう。信用度は雲泥の差です。アメリカにはお金を払えば博士号を授与してくれる大学もあります。それが商売だからです。
肩書は、呼称するときに間違えないようにすることも大事ですが、その中身にも十分に気をつけることを忘れないでください。