映画「半落ち」などで知られる映画監督の佐々部清(ささべ・きよし)さんが山口県下関市内で死去したことが31日、山口県警などへの取材で分かった。62歳。山口県出身。
下関市などによると、新作の製作準備のため同市に入っており、30日夜に関係者らと会食した際に体の不調を訴えてホテルに戻ったが、31日朝、部屋で倒れているのが見つかったという。
佐々部監督は同29日午前中までFacebookなどSNSを更新しており、配信ドラマの感想などを綴っていた。現時点での死因は不明。葬儀などの日取りは未定。
明治大学文学部演劇科卒業後、横浜放送映画専門学院(現・日本映画大学)で学び、84年から崔洋一監督、故降旗康男監督、杉田成道監督らの映画やドラマで助監督を務めた。2002年監督デビュー作「陽はまた昇る」は日本アカデミー賞で優秀作品賞を受賞。04年、作家横山秀夫さんのミステリー小説を寺尾聡さん主演で映画化した「半落ち」がヒット、日本アカデミー賞最優秀作品賞などを受賞した。代表作には「出口のない海」「日輪の遺産」「ツレがうつになりまして。」「結婚しようよ」「カーテンコール」「約束のステージ」「この道」などがある。
人情に厚く、地方の映画祭でかつて自作で起用した俳優たちと顔を合わすと、満面の笑みを浮かべながら夜遅くまで飲み語らう紳士だった。2017年公開作「八重子のハミング」は製作費を集めるため各所に頭を下げるなど奔走し、監督・脚本だけでなく、自らメディアに企画を持ち込んで宣伝に積極的に関わるなど、熱意あふれる映画人だった。シネムーブ@Cinemove_Inc
【訃報】映画監督・佐々部清が3月31日未明、心疾患により永眠いたしました。享年62歳。
ここに生前のご厚誼を深く感謝いたしますとともに、謹んでお知らせ申し上げます。
告別式は近親者のみで営みます。
喪主は妻の昭美さん。ご遺族の意向により供花・香典の類は拝辞致します。
【佐々部清監督作品】
『陽はまた昇る』
『チルソクの夏』
『半落ち』
『四日間の奇蹟』
『カーテンコール』
『出口のない海』
『夕凪の街 桜の国』
『結婚しようよ』
『三本木農業高校、馬術部』
『日輪の遺産』
『ツレがうつになりまして。』
『六月燈の三姉妹』
『東京難民』
『群青色の、とおり道』
『種まく旅人 夢のつぎ木』
『八重子のハミング』
『ゾウを撫でる』
『ミッドナイト・ジャーナル』*
『この道』*
『約束のステージ』*
*出演作品