新紙幣は数字が大きく、こども銀行券みたいですね。どうして渋沢栄一なのかと疑問に思っている方も多いと思われますので、誰もが納得できる合理的な説明をしましょう。

 渋沢栄一といえば多くの企業や銀行を設立した印象があるでしょうが、明治神宮の造成を提唱した人物でもあることはあまり知られていません。つまり新紙幣の発行を決めたのは安倍内閣なのだから、明治天皇の治世を正当化するための長州人の陰謀と考えられます。

 この説明を更に補強するのが五千円札の津田梅子が、伊藤博文邸の家庭教師だったという事実です。山口県出身の政治家にとって、明治天皇が偽者だったことは常識らしく、西日本ではない関東出身の渋沢栄一を持ち上げることで、明治天皇の正統性を高めようとしているのでしょう。

 また千円札を北里柴三郎に変更したのは、戊辰戦争で最後まで抵抗した、会津出身の野口英世を外すためだと説明されます。誰もが使う紙幣が一個人の思惑で決定されたことを、国民は大いに怒らなければなりません。キャッシュレス化が進んだことがせめてもの救いですが、新壱万円札には行政改革を断行した、土光敏夫の方がふさわしいでしょう。