いまだに日本人は狩猟民族と農耕民族という分け方をするようですが、人間は分類するのが好きな動物のようです。日本の投票率が低いのは、民主主義とは狩猟民族が始めたサークルのようなもので、農耕民族は仲間に入れないとでも思っているからでしょうか。

 ところが民主主義の元祖とされる古代アテネ人が、日本人と似通っていることは何度も書いてきました。まず肉食が普通な古代ギリシャの中で、古代アテネ人だけは魚をおかずにパンを食べるのが粋とされました。また土地を持てない貧しい農民は、談合して小作料を最低レベルで落札して、大地主を悩ませていました。そして噂話が大好物な国民で、ありもしない作り話で口裏を合わせ、示談金を強要したりしていたら、まともな人物がいなくなり国家も占領されました。

 更に古代アテネの船は軽量に造られていたにもかかわらず、狩猟民族であるドーリス人の船よりも遅く、日本人のように身体能力も低かったのです。アテネ人はイオニア人と呼ばれる先住民系統に属し、主流派であるドーリス人から軍議でも仲間外れにされていたことは、ヘロドトスが詳細に伝えています。だからヘロドトスは大昔から、外国人贔屓と呼ばれていたのでしょう。

 要するに民主主義を発明したのは日本人の仲間なのだから、自信を持って投票に行き、本場の民主主義を世界に示しましょう。古代ギリシャを理解する近道は、日本人を理解することだとヨーロッパ人も気付き始め、日本に観光客が押し寄せているのです。