世界恐慌と第2次世界大戦の混乱が幸いしたのか、ルーズベルトは大統領選挙で4度再選されます。死後に建前上は権力が集中し過ぎるのを避けるためとして、再選は1度だけと憲法が改正されますが、耄碌してソ連の参戦を約束して極東でも冷戦構造を招き、著しく国益を損なったからなのかもしれません。

 要するにバイデンが勝利しようがトランプが勝利しようが、任期が4年しか残っていないので、指導力をほとんど発揮できないかもしれません。しかも一方には健康不安があり、一方にはスキャンダルがあるので、任期途中で辞任する可能性もあり、事実上の副大統領なのです。

 トランプが当選すれば冷戦時代に逆戻りし、日本もウクライナのように恒常的にミサイル攻撃を受ける可能性が濃厚です。ただアメリカ人は日本人のように勝ち馬に乗るという発想がないので、バランス感覚から議会は民主党が支配することが予想されるので、絶望することはないでしょう。

 選挙人を選出するアメリカの大統領選挙に類似する制度は、アメリカの独立宣言の21年後に滅亡した、ヴェネツィア共和国のドージェ選挙だけだということは以前にも書きました。