世間の関心は八冠制覇でしょうが、それよりも興味深いのは、最近AIが角換わりは先手有利と結論付けたことです。それ以前に3二飛車戦法の出現で初手7六歩が激減したとされ、初手2六歩が常識になりましたが、後手は8四歩と突き返せなくなることを意味します。

 つまり初手2六歩に対し8四歩から飛先を伸ばし合い、7六歩と角道を開けられると、後手は角換わりか横歩取りを選択するしかないからです。横歩取りもAIによる解析で既に先手有利とされているので、初手2六歩には3四歩と指すしかなさそうです。

 後手に残された選択肢は振り飛車か、飛先不交換型の持久戦となりそうですが、AIは居飛車有利と考えているようなので、今後の戦形は雁木模様が主流になりそうです。もっとも筆者が以前に指摘したように、動けない2一の桂と2二の角を壁にする、初手1六歩も有力でしょう。