それでは一度ゆっくり息を吸って、ゆっくり息を吐く。

今日は目に見えない世界。霊的な世界を探求したい。

霊的な世界は、この世以外に、大きく七つあります。肉体を失うと、人はガス状のエーテル体を纏う。そして三十年から百年、早い人は直ちにそれを脱ぎ捨てるが、時間のかかる方は三十年から百年を幽界で過ごす。

さてこのエーテル界の性質について、今日は知らなければならない。

想像してみよう。君は今、海に向って突き出した、大きな岩の上に座っている。空は幻想的な、青紫。海面に近付くにしたがって、茜色に変わっている。風はそよとも吹かず、静かな凪の状態である。ふと、自分の周りを見ると、白装束を着た多数の男女が、同じように座っている。彼らは何をしようとしているのだろうか?彼らの目線を追っていく。すると、海上遥か彼方に、きれいな黄金色の夕日のようなものが浮かんでいる。神界と呼ばれる、ブディ体を纏った霊魂が行く世界だ。岩の上に座った精霊は、すでに過去、何回かの輪廻転生を繰り返している。そして今度こそは、あの永遠の霊太陽に向って、飛び込む決意をした魂だ。一旦神界に入れば、もはやその魂は、輪廻転生の枠に縛られることは無い。この世に生まれるも、あの世にとどまるも、自由自在である。

しばらくすると、大きな岩場の上に、光り輝く翼を持った天使が降りてきた。天使の訓示が始まる。

「あなた方は、今度こそは、輪廻転生に縛られること無く、不死身の体が得られる、あの永遠の霊太陽に向って突入することを決意した。あの霊太陽は、ここから見ると小さく見えるが、実は広大無辺な黄金色の光の空間なのだ。あの光の中に飛び込んだ時、自分の内側も外側も、金色の炎で包まれる。その為君達は、自分の魂が焼け死ぬのではないかと、恐れるかもしれない。しかし決して慌てたり、うろたえたりしてはならない。君達の魂の中の性質で、不浄なもの、囚われのあるものだけが燃える。そして君達の魂の性質の中で、清浄なるもの、永遠不滅なるものだけが残るのだ。だから、君達の魂が消滅するわけでは無い。決して恐れおののいてはいけない。」

「わかりました。」

大勢の男女の魂が頷いた。

「それから付け加えておく。君達は今から、海面すれすれに飛んで行かなければならない。この海面すれすれの空間は、エーテル界と呼ばれる。エーテル界には独特の性質があるのだ。それは、この、海の上を飛んでいく霊魂達を、海、即ち現象世界へと引きずり込もうとする、引きずり込む力だ。エーテル界は、物質の世界と、表裏一体をなしている。エーテル界のエネルギーが、この瞬間にも次々と、海、即ち現象宇宙の中に注がれている。これを現象世界の人間が見ると、プラーナとして捉えるのだ。プラーナの正体は、この世に、エーテル粒が物質世界へと、下降して流れていく力なのだ。何のために流れ込むか?それは放っておくと物質宇宙は崩壊してしまう。崩壊しそうになるこの宇宙を、生命エネルギーが支える為に、プラーナが次々と流れ込んでいるのだ。しかし、エーテル界には不幸な性質がある。それは物質世界を、生かそう生かそうとするあまり、この物質世界に、執着し、囚われる傾向を魂に作ってしまうということだ。よいか。君達が今から、物質宇宙すれすれに海面を飛ぶ。するとエーテル界は、君達を物質宇宙へと、引きずり込もうとするだろう。食べ物の快楽。肉体を得る喜び。お金の豊富さ。そうした物質的な執着のエネルギーが、君達を海面へと引きずり下ろすかもしれない。」

「わかりました。」

多数の男女の霊は頷いた。

「くれぐれも警告する。その力は途方もなく強い。君達の予想を超えている。そしてもしその力に引きずり込まれたら、君達は再び輪廻転生を、何度も繰り返さなければならない。そして、現象世界に生まれるたびに記憶を失くし、自分が永遠不滅の魂であることを忘れてしまうだろう。君達が生きながらにして、永遠不滅の魂であることを自覚したければ、このエーテルの傍流に抗い(あらが)、打ち勝たなければならない。」

こうして男女の霊は、海面すれすれに浮かぶ霊太陽目指して飛んで行った。

するとそれまで凪いでいた空気が、突然激しくなった。

君は指導霊の援助のもと、その霊魂の後を追うようにして、海面すれすれに飛んで行く。自分も、何度か海面に叩きつけられそうになる。何という凄まじい力であろうか。見ると、ほとんど多くの魂たちが、下降するエーテルの力に抗いしきれずに、海の中へと叩きつけられていた。こうして翼の折れた天使は、再び物質宇宙へと生まれ変わって行った。そして、何人かの霊魂は、引きずり下ろされそうになる力に、必死で抗いながら、なおも海面すれすれに飛んで行く。しかし、その魂ですら、時々波しぶきを上げる海面に、さらわれそうになった。何度も、何度も海面に身を沈め、そしてこれではいけないと思いつつ、再び身を翻し、海面すれすれに飛ぼうとする。するとたちまち波しぶきが上がり、再びその魂を海面下に引きずり込む。あたりは闇だ。暴風雨となった。

こうして、何度も波間に飲み込まれていった。飲み込まれては、生まれ変わり、その間、気絶状態となり、自分の過去世を忘れ、天命を忘れ、自分が何者であるかの記憶が断絶する。そしてややしばらくすると、再び海面上に姿を現す。この繰り返しだった。

生まれては死に、死んでは生まれ変わる。幽界と現象世界の間を行ったり来たりする多くの魂達。海面に潜り、上に顔を出す。あるいは海面すれすれに飛ぶ。多くの魂達が互いに、鎬を削り合い、ある時は、どちらが先に海面に潜り込めるかを競う。そしてある時は、どちらが先に、海面上に姿を現すかを競う。

激しい風と、激しい雨。海面に叩きつける暴風雨。海面は大荒れに荒れていた。その海面すれすれに飛んで行く。波しぶきが大きく上がり、自分の全身を飛沫で包む。それに負けまいとして泳いでいく。

見よ。なんと多くの無数の魂達が、海面に溺れていくことか。そしてあれほど心に誓いを立て、霊太陽に突入すると決意したにもかかわらず、今やその魂の目的をすっかり忘れ、海面下へと、溺れていく多くの魂達。海面に溺れて、苦しんだ魂は、再び岩場に這い上がり、そして傷ついた己の体を休め、背中の羽を乾かして、再び心に決意をかけては霊太陽に飛び込む。そして途中でその志を忘れ、再び海の中へと突入してしまう。

この原因は何であろうか?この原因は、己が本来、あの輝かしい霊太陽の一分子であることを忘れるところから来る。己の魂は、取るに足りない瑣末なものだと思い込むところから来る。

霊太陽に突入する魂は、岩場の上で、静かに瞑想する。そして、心の底から恐怖を追い去る。自分のような者が、自分のように取るに足りない者が、果たしてあの霊太陽の中に飛び込んでいいものかどうか。そうした一切の迷いを心の中から断ち切る。そして自分がまさしくあの霊太陽の一部そのものであること。否、自分があの霊太陽の光全体であると、真に心で自覚出来るまで、瞑想を続ける。そして自分が太陽か、太陽が自分かわからなくなった時に、一直線に太陽目がけて突入する。君も何度も、海の波しぶきを顔に浴びながら、先達の霊に従って、あの輝かしい霊太陽の中に飛び込む。

飛び込むとそこは、想像を超える美しい世界である。最初は金色の光が充満する世界に驚く。その世界にも、山もあり、海もある。全てが光り輝く粒子で出来ているのだ。そして、山を見ると、山が自分そのものだとわかる。海を見ると、海が自分そのものだとわかる。山や海と自分が、全く別物ではないのだ。

自分が全体の一部であると同時に、自分が全体そのものでもあるという不思議な感覚。自分は全体の一部であり、同時にまた全体の一部でもある。これを「繋がりの悟り」という。この「繋がりの悟り」を得た魂だけが、不滅の体を得る。霊魂はその時、初めて全身全霊から自分は永遠不滅であることを自覚するのだ。

そして魂の本質が、喜びであることを知る。

己の魂は、喜びそのものである。何者によっても左右されず、何者とも敵対しない。

独立自尊にして、自由と平和を愛する、繋がりの中に生きる魂だ。これを「愛の自覚」という。ブディ体を開発した人間は、この「愛の自覚」を得る。君のブディ体は今や金色に光り輝き、永遠不滅の生命をしっかりと認識する。

さて、再び君は肉体に戻る。海上を飛び、その時もエーテル粒の傍流が、君の体を海面にと叩きつけようとするが、君は難なくそれを自分の体を素通りさせる。そして君は、海の中へ叩き込めようとするエーテル粒を、克服して、無事に岩の上へとたどり着くのだ。

 

何の為にこのような経験をしたのであろうか?

それは君には固有の役割があるからである。君はこの世に生きる人々に対して、生きている間に執着を捨てさせる役目があるのだ。人はこの世に肉体を纏いながら、魂は自在に霊界へと遊んでいる。肉体に囚われることは愚かである。この世に縛られることは愚かである。

君の魂の役割。人々を執着から解き放つことだ。

君はこれから目を瞑ると、いつでもどこでも、この金色の光を見ることが出来る。

さあ、金色の光を想像する。

するとその光が君の周りを充満する。

すると君の心は何者にも囚われない穏やかな心になる。

君は何者にも囚われない。何者にも邪魔されない。何事にも怒らない。何事にも迷わない。怒らず、恐れず、惑わず、迷わない。

 

この世に、怒らず、恐れず、惑わず、迷わない生き方を、君はやがて、人々に伝えることになる。気功もヒーリングも、その為の手段だ。

君の役目は、人々を本当に真実に霊的なものへと目覚めさせること。

物への囚われから、離れさせることにあるのだ。

君に、この世に偉大な使命を授ける。

 

自分の心の中を見る。胸の中を見る。そこに黄金の太陽が輝く。

物に囚われ、物質宇宙への輪廻に縛られる魂を救え。

 

 

 

 

 

アカシックレコード書記官