「だっことおんぶの大勉強会」
続いて助産師 栗原より、午後の部についてお伝えします鉛筆
東大赤門
 
まず一つ目は、アリゾナ州立大学で乳幼児の発達に関する研究をされているLela Rankin Williams先生の発表でした。
子と関わるのが難しいことが多いと言われている「思春期のママと乳幼児の相互作用」についての研究です。
 
産後2~4週目の思春期のママをグループ分けし、一つ目のグループには布製の抱っこ紐で1日1時間子どもと過ごすことを促し、二つ目のグループには赤ちゃんに絵本を読むことを促しました。
 
結果、一つ目の抱っこ紐グループ赤ちゃんはより長い時間子どもと過ごしており、母子二人にすると母親が子どもと積極的に関わろうとする行動が多く、子どものほうも母親の積極的な関わりがなくなると、自ら母親に対して積極的にアピールしたそうです。
一方で絵本グループ本の母親は、子どもの気をひこうとする積極的な行動が少なく、子どもも母親が自分の行動を理解し難いことを知っており、母親のことを無視したり、目の前にいる母親よりも、周りの他のものに興味を示したりすることが多かったとのことです。
 
将来の対人関係のパターンの形成は、生後1年間の育児をする人と乳児の相互作用に基づいていると言われています。思春期の母親に限らず触れ合うことが、母子にとって大切だと当たり前のことを再認識しました。
 
たくさんの便利な育児グッズや道具を選ぶ中で、母子の関わりが多いものを選択していくというのも良いかもしれないですね。
まずは初めてママと赤ちゃんが出会う産院で、母子の状態が落ち着いていれば、生まれてすぐの赤ちゃんを抱っこしたり、、母子が同じ部屋で過ごし、いつでも授乳ができる環境であればいいなと思いましたニコニコ
 
次は、訪問看護ステーション「ダイジョブ」で主にNICUを退院したお子様を中心とした在宅看護を行っている、助産師・訪問看護師の有馬夕紀さんと横山望美さんの講義でした。
有馬さんはベビーラップアドバイザーであり、横山さんはベビーウェアリングコンシェルジュの資格もお持ちだそうです。
 
「ダイジョブ」ではベビーの3大欲求を「食欲、睡眠欲、抱っこ欲」として大切にされているそうです。この3大欲求の抱っこ欲を満たすためにベビーウェアリングを導入されています。
 
「ダイジョブ」では、ベビーウェアリングの可能性として以下の3つを考えています照れ
(1) 体幹の安定をもたらすリラックス効果
(2) 感覚統合の獲得
(3) 養育者が児の体の変化を体感し、発達に関心をもつ
 
在宅看護では栄養を摂るための管や人工呼吸器、酸素が必要であったり、様々な医療ケアによる制限があり、親子が肌と肌を触れ合わせ一体感を感じながら抱っこをするということが難しいことも多いようです。
 
そんな状況の中で、有馬さん・横山さんのお二人は、抱っこ紐のどこに医療ケアに必要な管を通すかまたは配置するかを患者さんの家族とともに考えながら、ベビーウェアリングを実現されていました。ベビーウェアリングをすることで、ママやパパは初めて安定してしっかりお子様と触れ合い抱っこできたと思われるようです。
実際にスリングなどでお子様を抱っこされている写真を見せていただきましたが、ママもパパもとてもリラックスした御様子でしたおねがい
 
生まれてすぐは触れることもできず、初めて胸に抱っこするまでに時間が必要だったママやパパが、ベビーウェアリングでお子様の成長を身近に感じ、「こうしたほうが心地よさそうだ!」「こうすると笑う」などなど、いろいろな発見がどんどん増えていかれるのではないかと思うと感慨深いです。
そして、そのようなママやパパを支援されている有馬さんと横山さんは、本当に素晴らしいお仕事をされていると思いましたキラキラ
 
助産師 栗原