火曜日の7時に4チャンネルで「この差って何ですか?」という番組があります。ニュースとスポーツ中継以外は滅多にテレビを長時間見ることはないのですが。番組では街頭で男性にインタビューしていました。「あなたの配偶者をどんな呼び名で紹介しますか。」が質問です。話はまったく変わりますが、以前から若い人(私から見て若いだけで充分おじさんな人たちですが)がご自分の連れ合いを「ヨメ」と発言する人が結構多いことに、何とはなしに違和感を覚えていました。滅多に見ないテレビ番組を熱心に見たのには、多分この違和感が少数派なのか多数派なのか確かめたかった、のかも知れません。
「ツマ」
「ヨメ」
「ニョウボウ」
「オクサン」
「カナイ」
「カミサン」 など
人によってまちまちで特に片寄りはなかったように思いますが、番組の趣旨が多数派探しでなく、外国人に「ワイフ」だけじゃないよ、と解説していたせいかも知れません。面白かったのはそれぞれの出典と言葉が生まれた背景でした。うろ覚えと新聞の片隅に書いたメモだけなので正確でないことを承知の上で書いてみます。
まず「ツマ」
古くは古事記に出てきます。もっとも夫、妻ともにツマと発音し、当時は婚姻制度はありませんので、親もしくは家族に認められた「ツレアイ」を意味します。万葉集にも「ツマ」は多数出てくるようです。明治民法には「………妻は婚姻に因りて夫の家に入る」という表現があったようですが、現民法にはありません、男女同権のせいでしょうか。
「ヨメ」
1275年に書かれた「名語記」に「子息の妻をよめとなつく」と
あり、また一説には両親が近所の人に、息子に「良い女」が来て
くれた、ヨいメが省略されて「嫁」となった、という説もあるよ
うです。
「ニョウボウ」
平安時代の貴族は、妻以外に食事など身の回りの世話をする使用人を家に住まわせていました。その使用人の女性が住む部屋を「女房」と呼んでいました。そしていつの間にか使用人の女性のことを「女房」と呼ぶようになった。から正しくは使用人の女性。
「オクサン」
1562年「北条幻庵覚書」に書かれている「奥方」は奥の方の部屋を表す言葉。身分の高い屋敷の主はパートナーを奥の方の部屋に住まわせていた。屋敷のみんなは敬意をこめて「奥方」と呼んだ。それが「奥様」「奥さん」と変化した。
「カナイ」
明治時代に会社制度が誕生。それまで百姓、町民など庶民は家で共働きなのが男は外へ出て働くようになった。そこで外で働く人がパートナーを「家を守る人」、「家にいる人」という意味で「家内」というようになった。
「カミサン」
もともと目上の人を指す言葉。「上様(カミサマ)」が変化して出来たもの。「カミサン」は自分より偉い人を指す尊敬語。
改めてもともとの意味を整理しますと、
「嫁」 息子のパートナー
「女房」 使用人の女性
「奥さん」 奥の方の部屋に住む女性
「家内」 家の中にいる人
「カミサン」 目上の人
となってしまいました。歴史的にも由緒正しい日本語で、法律にも使われたのは「妻」だけ。さて皆さんはご自分の連れ合いをどんな呼び方でご紹介されていますか。私も何を使っているか、その時々で違うような気もするのですが、「家内」が多いように思います。とすれば明治時代の感覚から進歩していない感じ。反省して正しい日本語を使うように心がけます。