表題の本がTKC出版から送られてきました。一気に1時間ほどで読み上げました。マーケティングが中小零細企業にとってなぜ必要なのか。またどうすればマーケティング・マインドを身に付け活用できるか。明快に説き下ろしています。ところどころ引用しながら紹介します。
「なぜ必要なのか」
『かつてのように、国家の経済が右肩上がりで成長し、世の中の購買力が旺盛で黙っていても景気を自動的に押し上げている時代ではなく、消費者がそう簡単には財布の紐を緩めなくなっているのです。
この状況を打開するために、何としてもマーケティング的対応を含んだ経営革新を図っていかねばなりません。業界そのものが構造不況といった場合、経営改善、経費節減、リストラといった程度の打ち手では効果に限界があります。開き直るくらいの経営改革が必要なのです。的確なマーケティングを行い、新しい売上を作っていかなければなりません。中小零細企業の経営者もマーケティングの勉強が必要とされているのです。
……「勉強」の対象として近年最も有名な先生は「ドラッカー」でしょう。「企業の究極の目的は『顧客の創造である』」なんて名セリフが出てくると「おお、これだと!」飛びつきたくなる訳です。こういった名セリフは、それはその通りなのですが、そのままではなかなか自らの実務に取り入れることはできません。
……私はドラッカーを勉強しながらも「もっと中小零細企業の実務に近いところのマーケット本が必要なのでは」と考えました。……そこで書いたのがこの本です。』
『マーケティングは全然難しいものではありません。ある種の感覚を掴めば誰にでもどんどん見えてくるものだと私は思っています。この本で、自らの商売をマーケティング視点で見るとど
うなるのか、といった実務上の癖をつけていただきたいと考えています。』
「黒字化へのルート」
【黒字の式】 売上 > 変動費 + 固定費
① 固定費を下げる・・長い間会計事務所がアドバイスしてきた手法がこの固定費を下げる、というものでした。これは通常の場合社内的な処理で済みます。交際費など諸経費の節約から、役員報酬の削減やリストラなど、決断すればすぐにその効果は現れます。
② 変動費を下げる・・次に考えられるのは限界利益を確保するために、変動費を下げることです。ただしこれは仕入先という相手のあることです。……「そう簡単にはいかないよ!」と経営者が思っている部分でもあります。
③ 売上を上げる・・経営者の皆様が最も取り組みたいと思うのがここではないでしょうか。しかしこの分野への取り組みは、市場(消費者)という雲をつかむような、極めて難しく分かりにくい対象を解明しなければなりません。』
でいよいよ本題のマーケティングにはいります。と、ここまで書いてこれ以上の説明をやめることにしました。というのはこの本に書かれているマーケティング手法あるいは、マーケティング思考は、顧問先の社長や役員の皆様にぜひ知っていただきたい、そして実践していただきたいものだと考えたからです。
いささか押しつけがましいですが、まず100冊注文いたしました。順次皆様のところへお届けいたします、まずはご一読ください。そして巡回監査時の話題に取り上げてください。社内会議の議題にも取り上げてください。必要なら私も仲間に入れてください。一年、二年、三年と続けるうちに、マーケティング・マインドは自然に芽生えてくるものと思います。
アベノミクス、一の矢、二の矢、三の矢の功罪がかまびすしいです。確かにある種の期待するものはあります。しかしそれだけを期待して従来のままの経営を続けて、永遠に安泰でいられるほど、企業経営は甘くはありません。京都には百年、二百年、三百年企業は山ほどあります。千年企業も存在しています。彼らこそ永遠に経営改善を、マーケティングをし続けてきた、今もし続けている企業群なのです。