闇よ、行くよ。 | 音の破片

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音楽(ライブ)好き人間の、右脳的ブログ。

あいちトリエンナーレの開催中に行われたサカナクションの暗闇ライブに参加。

デジタルなアイテムに囲まれた現代の我々の手元にはいつも光があって、街はどこもかしこも光に溢れてて、完全な暗闇に出会う機会はほんとに少ないと思う。

視界を完全に遮断して音だけを感じると、どうなるか。
とても実験的なパフォーマンスであったと思う。

以前、サカナクションのライブ中で、「壁」という曲の演奏中、一切照明なしの演奏だったことがあって、曲を通して自身の闇や心の変動を感じることができた。
あのときは完全暗転にはならなかったが、いつもレーザーやら派手な照明が定評のあるサカナクションでこんな演出が!と驚いたのだが、今回は完全な闇へのチャレンジ。



最初に「プラクティス」として、完全な闇に慣れるための5分間があったが、これが本当に恐ろしかった。
目を開いてるのか、閉じているのかわからない、自分の目の前に手を広げても見えない。
なぜか息苦しくて、肌がビリビリする。
圧倒的な何かに心が押し潰され、脳が何かに塗りつぶされるような。

序盤はこの完全な暗闇に対峙するのにとてもストレスを感じて、正直、全然音を楽しむどころじゃなかったw
サカナクションのメンバーの皆様はステージの上にいるんだけど、まるで棺桶みたいな(←)箱の中でパフォーマンスしてるのでもちろん見えないし、メンバーがいようがいまいが途中からどうでもよくなっていたw

雨の音、雷光などの音が耳元でなったり、囁き声が会場を回ったりする音の効果は、今まで6.1chシステムなどの導入をしてきたチームサカナクションのお手のものですから、ほんとにすごかった。
余計に恐怖を煽りましたww

スクリーンの映像もたまにあるんですが、どうやら私は暗闇の中で自然に目を閉じてた(閉じてた感覚すらなかったけどw)ので、たまにチカチカ光を感じて、あれ、私は今、目を閉じてたのか、とわかるっていう。
映像自体も白い丸だったり、モノクロの海だったり、無表情の女の人だったり、いちいち怖いwww
「茶柱」の曲中はほうじ茶の香りが漂ったり、視覚以外での楽しみかたも。

最終的には脳が完全にトランス状態みたいになって、眼前の映像が、見せられてるのか、自分の頭の中で作り出してるのか完全にわからなくなるし、耳元で鳴る音は本当に鳴ってるのか、自分の中で作り出してるのかすら分からない状態。

なんか、
将来的に、こういう新種の暗闇拷問みたいのができるかもしれないとか思いましたww

とても衝撃的だったし、まあこれはこれで、前衛的なトリエンナーレのイベント中に開催するのも納得した。
本当に、作品としての音を見た、という感じ。

完全な暗闇で感じたのは歌詞の大切さ。
歌詞がある曲は安心感が全然違った。

あと、結構小さいお子さんがいらっしゃって、大人でもこんなに怖かったのに、子供だったら確実にトラウマになるんじゃないかと、ちょっと心配になりました。
18歳以上限定とかにした方がいいんじゃないかなあ。
色々な意味で。