逮捕!? | 涙の分だけ墜ちてゆく

逮捕!?

「はぁ~?何、怒ってんのォ~?バカじゃないのぉ~?あたしがナイフ見せて脅かそうとしたら勝手に刺さってきたんだょ!あいつドジだからぁ~」

エッコが、ふてぶてしい態度で言った。

恵美をやったのはやっぱりこのバカ女か!

あたしはエッコの前にツカツカと向かっていき
「お前は死ね!」

バッツン!!!

うぐわおぁぁぁー!!

顔面にチョーパン(頭突き)をブチ込んでやった。

力の加減なんかするわけもなく怒りと憎しみを120%込めた渾身の一発…

ぐぢゃ!

変な音が頭蓋骨を通して聞こえて来たけど、そんな事お構いなしでエッコの後頭部に片腕を回して、逃げれないように抱き込んで、

バツン!バツン!バツン!バツン!

あたし自身の額も割れて血が流れ始めたけど、それでも何度も何度もチョーパンを入れ続けた。

真弓や周りの奴らの事は見ていなかったけど、攻撃の妨害にならなかった事を思うと、鬼気迫るあたしを見てドン引きしちゃって固まっていたのかも知れない。
エッコの後頭部に回した手に重みがかかり、それに耐えきれず手を話すとエッコは気を失いそのまま倒れ込んだ。

その時エッコはテーブルの角で側頭部を打ち血が吹き出た。

顔も鼻が曲がり、目の下を切り、血まみれで酷い事になっている。

「…おかしいょ」

真弓が真っ青な顔して言った。

「ライナ…おかしいょ…いくら揉めてたからって普通ここまでする?普通じゃないょ…」

その言葉を背中で聞きながら、さっきありったけのタマを飲み込んだトイレに戻ってハンカチタオルを濡らして額にあてた。

血が止まるまで何度か繰り返していると、カラオケ店のスタッフが何人かトイレの前まで来た。

「この子です!」

真弓の声に振り向くと、

「傷害事件で警察に通報したからおとなしくしていてね。暴れたら罪が重たくなるからね」

カラオケ店の店長らしき人にそう言われた。

(逮捕!?あたしが?)

それがどんな事なのかも漠然としかわからずに、ただあたしは呆然としていた。

「16時25分、緊急逮捕、罪名は傷害!」

刑事部長がそう言うと、若い刑事さんがあたしに手錠をかけた。

恵美は大丈夫だったのだろうか…

あたしを乗せたパトカーは繁華街の人ごみを掻き分けクラクションを鳴らし中警察署に向かった。