【痛みの授業…③】
特別編が続きましたが
今日は、Kさんの質問より…
「ペインコントロールとしてオピオイド投与やマッサージなどがまず考えられると思います。
オピオイド以外にペインコントロールできる他の要素は何かあるのでしょうか?」
おそらく中野先生への質問だと思われますが
私の立場からあえてお伝えしてもよろしいでしょうか…
本来であれば、Kさんに質問をしたいところなのですが…
(Kさんのおっしゃっているペインコントロールについて)
例えば、がん性疼痛、術中・術後、外傷の場合
オピオイドの対象として問題なく投与されると思います。
そして、非がん性慢性疼痛にも
使用が認められてはいるものの
使用が認められてはいるものの
現実的には多くの課題があるように感じています。
痛み全般においての治療は
ペインの専門医なのかそうでないのかで
薬の使い方は違うと感じますし、
慢性疼痛について
医師がどのように認識しているのか
治療方針や考え方なども
影響するように思います。
いうまでもなく
安易に投与できる薬ではないので
特に慢性疼痛の患者さんへの投与は
医師の中でも賛否両論あるようです。
私は5年ほどペンタゾシンを使っていましたが
そのことをとても感じる体験を何度もしています。
当時、主治医の指示で
1日3回まで注射が認められていたのですが、
主治医が不在時に救急で受診した際
担当した医師が
「こんな注射を打つもんじゃない!!」
そういって怒鳴りつけると
全身激痛で動けない私に
「帰りなさい!」
そういって追い返された…
というようなことが何度かありました。
主治医は、そういうことを予測してか
カルテの表紙に
注射の必要性を書いたメモを貼りつけてくださっていました。
それでも、
救急で対応した医師の考え、判断により
打ってもらえないことがありました。
その後は、そんなことがないように
いつでも必要な時に打ってもらえるよう
主治医がクリニックと連携をとってくださったので
安心して注射をお願いすることができました。
とはいえ、残忍ながら
オピオイドの注射は
いつまでも使えるものではありません…
はじめて注射したときは
一瞬にして全身の痛みがなくなり
呼吸が楽にできる驚きと共に
苦痛から逃れることができた喜びで
とてもうれしかったことを思い出します…
「こんなに楽になれる薬があったなら
なぜ今まで打ってくれなかったんだろう…」
そう思いました。
そして結局は、
何度打ったところで
痛み自体を永遠に感じることなく
生きていくことはできませんでした…
数時間続くしあわせは
そのうち数十分と短くなり
一瞬のしあわせに変わりました。
そして徐々に副作用を強く感じるようになり
鎮痛効果は感じられなくなり
とうとう注射を打つことができる場所がなくなりました。
がん性疼痛、術中・術後、外傷の場合は
人生の一時的使用
非がん性疼痛の場合は
痛みの苦痛を感じなくなるまで…
患者が30代なのか
50代なのか、70代なのかという年齢も
投与においては関係するのではないでしょうか…
医師としては
依存性を心配して
否定的な先生が多いようにも感じています。
その点は当事者としても十分理解できるのですが
慢性の痛みはサイレントキラーです。
何年も、何十年も痛みと共に生きるということは
痛いとか苦しいとか、辛い…
という表現では表すことができません。
どんな痛みと共に生きているのか
どの程度の痛みと共に生きているのかにもよるでしょうが
気持ちでなんとかできる時期もあります
そして、気持ちでどうにもできない時期もあります。
今の医学をもってしても
痛みの治療は
まだまだこれからなのだと感じています。
そこで、
過日の投稿でお伝えした
痛みをコントロールするよりも
痛みをマネジメントできるようになると効果的
この点についてまた次回 ・・・

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