登場人物名は、アルファベット表記です。
(和名と英名の、覚えやすい方で読んでください)
今回の章は、百輪物語の登場人物たちの
前世の話になります。
Cの国C 国王 クリスK Cの妹 →A国へ カーラD Cの側近 デイビッドJ Dの部下 ジャックB 踊り子 →A国へ バーバラAの国A 国王 アークK Aの一人目の妻 カーラB Aの二人目の妻 バーバラE Aの第一王子 エデンF Aの第二王子 フランクG Aの第三王子 ジョージ高僧
では、どうぞ。↓
見えない因縁(3)
有能な部下Jの死に、CとDの胸は張り裂けそうでした。
城の庭に焚かれた火の前で、二人は沈黙のまま座り込み、
炎に照らされた拳を固く握りしめていました。
やがて、Cの目に焚き火の赤が映りこみ、
「Aの国に攻め入ろう」と声を荒げます。
しかし、Dが必死に押しとどめました。
「国が荒れます。ここは抑えてください」
「お前はそれでいいのか?Jが殺されたんだぞ?!」
「・・・どうか、どうか、矛を収めてください。
それが、Jの望みでもあったはずです」
「・・・」
けれども、Aが外交上の密約に再三、
無理難題を押しつけてきたことで、
ついに堪忍袋の緒が切れました。
「もうどちらかの国が亡びるしかないようだ。
もちろん、私が勝つ。D、ついてこい」
「かしこまりました」
二つの国の間で、長い戦争がはじまりました。
AとCは互いに戦力が五分五分で
なかなか勝負がつきません。
兜を脱いだAが、城に隠れる息子のEにそれを投げつけます。
「お前も参戦しろ!次期国王がへっぴり腰でどうする?!」
Eは涙をこらえながら、のろのろと兜を拾いました。
「どうして戦争が起こるのか・・・。
どうして愛し合うことが出来ないのか・・・。
やはり自分がもっと強くなくてはいけないのか・・・?
けれど僕は、人を殺したくないんだ・・・。
J、僕を守って・・・」
最終的にCの国は焦土と化し、Aの国も弱体化しました。
「王、まだ続けるのですか?もう国がボロボロですよ」
と、Dが思い余ってCに進言しますが、Cは
「いや、最後までやる。私の意地にかけても」
と、血走らせた目をDに向けます。
Dは自分の部下の兵隊たちをどんどん失っており、
もはや長い戦に対してうんざりしていました。
(続く)