小説です。「百輪村物語」の第三部です。

 

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登場人物名は、アルファベット表記です。

(和名と英名の、覚えやすい方で読んでください)

 

 
【今回の登場人物たち】
C(牧場主→村の守護霊) 千太郎  クリス
師匠(守護霊・Cの先生)
老師(守護霊・師匠の知り合い)

 

では、どうぞ。↓

 

見えない応援(4)

 

 

アチダ国の〇〇山から帰ってきたCは、
考え深げな顔で師匠に「戻りました」と挨拶しました。
 
「何かわかったかの?」
 
「はい。老師から、
 頼まれてもいないのに手を出すのは
 傲慢と教わりました。
 僕がやってたのはお節介で、
 本当にすべきなのは、応援のようです」
 
「そうか。では、畑に行って、応援しておいで」
 
「はい」
 
Cは、百輪村の畑に降り立ちました。
 
元気な人参畑の中で、一つだけ
葉が倒れているものを見つけ、Cは傍にしゃがみました。
 
これまでのCなら、
すぐに手をかざし、癒しの波動を送るところでしたが、
まずは、その人参にダメもとで声掛けしました。
 
「大丈夫?」
 
「うん。さっき、うっかりした人間に踏まれただけだよ。
 時間をくれたら、ちゃんと起きれるよ」
 
植物の声を聞くことが出来たCは微笑んで
「そうなんだね。君は強いね」
とテレパシーで声をかけると、
人参は葉をふるわせて笑ってるようでした。
 
次はかぼちゃ畑に行ってみると、
話をしたがっているカボチャの声がしました。
 
Cが耳を傾けると、
「この間はハクビシンがやってきて、
 茎を嚙まれるかとひやひやしたぜ。
 結局、無事だったけどな」
と、体験談を話すので、
「へー、それは焦る体験だったねえ」
とCがテレパシーで相槌をうつと、
「まあな。聞いてくれてありがとう」
と、かぼちゃは嬉しそうでした。
 
枝が枯れそうになっている枝豆に向かって、
「あの、何かできることある?」
とCが尋ねると、
「このままでいいんだ。
 豆をたくさん実らせることが出来てよかった。
 この場所は、他の植物に譲るつもりだよ」
と、その枝豆はささやきました。
 
今度は花畑に行ってみました。
村人が、先を潰したホースで水やりをしています。
 
水がかかった花と、
かからなかった花があったので、
Cは近くに寄って声を拾ってみました。
 
「いっぱい水が来たわ。おいしいわ」
「あらそう。良かったわね。
 私もそっちの方へ根を伸ばしていい?」
「いいわよ。どうぞ」

 

色んな植物の声を聞いて、Cは
(ああ、ホントに、
 植物にも、ちゃんとした世界があるんだなあ)
と、しみじみすると同時に、
(応援って、こうやって、
 ただ話しかけるだけでいいんだろうか?
 じゃあ、僕が今までやってた癒しの波動って、
 結局、必要なかったってこと?
 それとも、やり方が間違っていたのだろうか?)
と、疑問に思うのでした。
 
 
(続く)