小説です。「百輪村物語」の第三部です。

 

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登場人物名は、アルファベット表記です。

(和名と英名の、覚えやすい方で読んでください)

 

 
【今回の登場人物たち】
C(牧場主→村の守護霊) 千太郎  クリス
師匠(守護霊・Cの先生)
老師(守護霊・師匠の知り合い)

 

では、どうぞ。↓

 

見えない応援(5)

 

 

花畑に座ったCは、そばの花に話しかけました。

 

「ねえ。君たちを波動で応援したいんだけど、
 どうやったらいいのかな?」
 
花はCの方に顔を向けて言いました。
「応援?その前に、あなたが満たされなきゃね」
 
「え?僕が満たされてない?」
 
「そうよ。
 外に出そうとばかりしてるから、
 そんな風に自分が空っぽになっちゃってるのよ。
 でもね、私たちは、すでに満たされているから、
 自然に波動が出てるわ。見て」
 
Cが目を凝らすと、初めて植物たちの内側から
外側へ向かって波紋のように
空気が揺れているのがわかりました。
 
「本当だ。出てますね」
 
「こうやって自分の波動を出すことによって、
 私たち植物は励まし合うことが出来るのよ。
 人間にはまだそれが難しいみたいね」
 
「それ、どうやるんですか?」
 
「静かに自分の内側の心を見つめるの。
 そして、『私は満たされている。うれしい』
 って思ってみて。
 そうしたら、あなたからも本当の波動が出るはずよ」
 
「やってみます」
 
Cはその場で胡坐をかいて深呼吸し、
言われた通りにしてみました。
 
しばらくすると、Cの体の周りから、
ゆっくりと、じんわりとした温かい波動が出て、
自然と周囲に波紋のように広がっていきます。
 
すると、その波動を受けた花たちが、
その波紋に共鳴するように
同じように柔らかな波紋を出し始めたので、
大きな輪がいくつも村に広がりました。
 
さらには、大地も同じように波紋を
投げかけてくれるのがわかります。
 
Cは、この微細な空気の揺れに初めて気がつき、
そっと目を閉じました。
魂全体で、その揺れに身を任せてみました。
 
――ああ、こんなに優しい波が、
僕の中にもあったんだな。
 
なんて気持ちがいいんだろう・・・
これが本当の癒しの波動・・・
共鳴し合うことが本当の応援なのか・・・
 
Cは心地よい波に揺られるのを感じながら、
地球・ガイアの愛に包まれていました。
 
 
 
雲の上では、Cの様子を見下ろす師匠と老師がいます。
 
「またCが成長したのう。ありがとうな、老師」
と、師匠がにっこり笑うと、老師は、
「Cは伸びしろがある。楽しみだな」
と、にやりとするのでした。
 
 
 
 
ending music
 
Kiss the Rain - Yiruma