自分で作ったソロジャーナル

「とある魔導士の研修日記」です。

 

大長編になってしまった、ビエントの話。

 

これで、本当にラストです。

 

読みたい人だけ読んでください爆笑

 

 

主人公:ビエント(17)

人と一緒にいるのが好き。
人の気持ちによく気づく。
思い立ったら動く。
日焼けした健康的な肌に、癖のある黒い短髪。
明るい茶色の瞳。背はやや高め、細身。
笑うと目尻が下がって親しみやすい顔。

 

 

 

 

  7日目。夜。

 

 

夕食のあと。

ビエントは一人で研修所の裏庭に出た。

昼間のことを思い返していた。

いろんな魔法を組み合わせる。

それが自分の得意なことなのかもしれない。

そう考えると、なんだか少し嬉しかった。

でも――

「……何と何を?」

答えはまだ出ない。

 

そのとき、背後から声がした。

「ビエント?」

振り返る。

カイだった。

「また一人で考えてる?」

「うん」

「何を?」

「進路のこと」

カイは隣に座った。

「もう決めた?」

「まだ」

「そっか」

それだけ言って、カイも黙った。

 

しばらく二人で夜空を眺めた。

「……でも」

ビエントが言った。

「今日、ちょっとわかったことがある」

「なに?」

「僕、魔法を一つだけ極めるより、いろんなものを組み合わせるほうが好きなのかもしれない」

カイは笑った。

「じゃあ、それでいいんじゃない?」

「うん」

二人は研修所へ戻った。

 

廊下の壁には、これまでの研修生が残した記録が並んでいる。

その中に、古い魔法陣の写真があった。

ビエントは足を止めた。

「……これ」

昼間見たものと同じだった。

しばらく眺めてから、ビエントは小さく笑った。

「またいつか、ここに来ようかな」

そう言って、部屋へ戻った。

 

 

  最終日。朝。

 

ビエントは目を覚まし、窓の外を見た。

空には雲が広がっていた。

「……今日は見えないな」

昨日まで見えていた山も、自分の未来も、雲の向こうだった。

 

朝食を食べに行くと、何人かの研修生がもう集まっていた。

「おはよう」

「おはよう」

いつものように挨拶をする。

でも、今日で最後だ。

そう思うと、少しだけ不思議な感じがした。

 

食事を終えて実習室へ行くと、先生が待っていた。

「ビエント」

「はい」

先生は小さな袋を渡してくれた。

「研修修了の記念だ」

「ありがとうございます」

中には、小さな金属片が入っていた。

金属片には、研修所の紋章が刻まれている。

「これは……?」

「修了証のしるしだ。持っていていい」

ビエントは手のひらに乗せた。

昨日まで使っていた二人用の指輪とは違う。

借りていた指輪を入れ違いに返却した。

でも、この紋章入りは自分のものだ。

「……ありがとうございます」

 

先生は少し笑った。

「君に一つ、伝えておこうと思っていた」

ビエントは顔を上げた。

「今回の研修で、君が一番よくできていたのは、魔法そのものではない」

「え?」

「人の魔法を見て、自分の魔法とどう重ねればいいか考えていたことだ」

ビエントは黙って聞いていた。

「一人で完成させることにこだわらなかっただろう?」

リオ。

セナ。

ミナ。

カイ。

先生。

いろんな人の顔が浮かんだ。

「……そうですね」

「それは、これから先も君の強みになると思う」

ビエントは修了のしるしを握った。

外を見る。

まだ雲は晴れていない。

これから先、自分がどんな魔導士になるのか。

どこで働くのか。

何を専門にするのか。

それは、まだわからない。

でも――

「先生」

「ん?」

「僕、いろんな魔法を組み合わせる仕事をしてみたいです」

先生は頷いた。

「そうか」

「……でも、まだ具体的にはわかりません」

「それでいい」

先生は笑った。

「わからないものを、これから探せばいい」

その言葉を聞いて、ビエントも笑った。

窓の外では、雲の切れ間から少しだけ光が差していた。

 

 

 

 

  数年後。(最終パラメータによる結果)

 

ビエントは、超一級の白魔導士になった。

 

複数の魔法や道具を組み合わせて、今まで難しかったことを可能にする。「組み合わせの魔導士」と呼ばれる。

(例: 治癒魔法+植物魔法 、 防御魔法+建築魔法 など)

 

聞き上手で、困っている人が来れば話を聞くし、魔法の専門が違っても、

「じゃあ、これとこれを組み合わせてみようか」

と一緒に考える。

だから、患者や依頼人だけでなく、他の魔導士からも頼られる。

「これくらいいいですよ」

「困ってるなら、材料費だけでいいですよ」

などと言うので、あまり儲からない。

 

たまに財布を開いて、「あれ?少ない」と、つぶやく。

けれど、あまり気にしないのは、「ありがとう」って言われるのが何よりもうれしいから。

そして、かつての研修仲間と飲む約束が入ると、喜んで飛んでいくのだった。

 

 

 

 

・・・おしまい。

 

ここまで読んでくれて、圧倒的感謝ですお願いキラキラ