ソロジャーナルの

「スチール・サルベージャー」をプレイ

 

・・・していたのですが、

その世界観から飛び出して、

自分で小説をつくり始めちゃいましたてへぺろ

 

サイコロもトランプも振らなくなり、

マイワールドに突入です🌍キラキラ

 

 

登場人物

 

デラミ:探索型ロボット。てんとうむし

    スパイダー型(腕2,足4)。

    本が好き。人間に好奇心を持つ。

 

ニーナ:探索型ロボット。犬型。しっぽフリフリ

 

フジカ:ニーナの飼い主。人間。政治家。お母さん

 

 

【これまでのあらすじ】

汚染された地球の地表を探索し、

人間のために資源を取りに行く探索ロボットの

デラミとニーナが、とある現場で出会います。

 

人間に興味のあるデラミは、ニーナに

「人間に会わせて欲しい」と頼みました。

 

そこからの続きです。↓

 

 

  デラミ、フジカと会う。

 

 

犬型ロボットのニーナが案内したシェルターは、

個人用だった。

ニーナはそのまま三重ドアを入っていこうとする。

 

私は手足を延ばし、背中の籠に入っていた薬草を、

シェルター横にある資源投入口に入れた。

 

シェルター内の居住区に入るには、

放射能が付着している資材を

持ち込んではいけない決まりだ。

 

資源投入口は薬草をシュッと吸い込み、また閉じる。

地下で工場につながってるらしいけど、

詳しいことは知らない。

 

とにかく、さっさと仕事を済ませて、ニーナの後に続いた。

 

「あら、ニーナ、おかえりなさい。早かったのね」

ダークブラウンのボブヘアの女性が、ニーナの頭を撫でた。

そして、私の存在に気づいた。

「……これは?」

 

ニーナは、私のほうを振り返った。

「友達です」

「友達?」

女性が目を丸くする。

 

「はい。森で会いました。探索ロボットのデラミさんです」

「はじめまして。デラミです」

私は腕を一本、ひょいと上げて挨拶した。

 

「まあ。ずいぶん足が多いのね」

「腕と足を合わせて6本です。今は5本ですけど」

「……壊れたの?」

「ええ。昨日一本、今日一本」

「まあ、大変」

「でも、昨日修理した足はピンクにしました。

 かわいいでしょう?」

「……ええ。かわいいわね」

女性が笑った。

「人間のマニキュアを真似したんです」

「そうなの。面白いわね」

 

ニーナが、私の横に並んだ。

「デラミさんは、人間のことをもっと知りたいそうです」

「そうなの?」

「はい。だから、連れてきました」

 

女性は少し考えてから、ニーナの頭をもう一度撫でた。

「それなら、ゆっくりしていってもらいましょうか」

 

「本当ですか?」

私は思わず、前のめりになった。

 

「ええ。ニーナのお友達なら歓迎するわ」

「やった!」

 

……しまった。

私、声が大きかったかしら。

 

でも、なんだか嬉しい。

 

人間に会うのは、初めてじゃない。

だけど、人間のことを話してくれる人間に会うのは、

初めてだ。

 

「ねえ、人間さん。あなたは、探偵さん?」

「いいえ、政治家よ。名前は、フジカ・オオクボ」

「フジカ・オオクボ……日本人名ね?」

「まあ、デラミさんは、物知りね」

 

「人間の本を、たまに読むんです。

 ミステリーが大好きなんです。

 えっと、日本は国の名前ですよね?

 でも、正直、国ってよく知らないの」

 

「昔は、たくさんの人が集まって、

 大きな社会を作っていたの。

 そのまとまりを国と呼んでいたのよ」

 

「国という大型シェルターがいくつもあったの?」

 

「いいえ。シェルターより、ずっと広いものよ。

 一番大きい国では、十四億人もの人が

 暮らしていたの。 

 でも、地球が汚染されて、

 昔の国はなくなってしまったわ。

 今は、生き残った人たちが五つの

 大型シェルターに分かれて暮らしているの」

 

「ええ?十四億?

 イメージが湧かない。でも、面白い。

 フジカさんは昔、日本にいたの?

 だから日本人名なの?」

 

「私の血族は、かつて日本にいたのよ」

 

「フジカさんは、どうして個人シェルターにいるの?」

「一応、要人ということで、特別なのよ」

「要人って、偉い人?」

「そうね。人間の暮らしを決める仕事をしているから」

「じゃあ、政治家って、みんなのことを決めるの?」

「みんなのことを決めるというより、

 みんなでどうするかを話し合って、決める仕事ね」

「へえ。大変そう」

「大変よ」

フジカさんは笑った。

 

「じゃあ、フジカさんは、人間の代表なの?」

「そういうことになるわね」

「人間って、代表が必要なの?」

「必要だったのよ。昔は人が多かったから」

「十四億人もいたんですよね?」

「日本では、そこまで多くなかったけれどね」

「じゃあ、今は何人くらいいるの?」

 

フジカさんが少し考えた。

「正確な数は、私も知らないわ」

「政治家なのに?」

「政治家だからって、何でも知っているわけじゃないのよ」

「なるほど」

私は納得した。

「じゃあ、私と同じね」

「デラミさんと?」

「探索ロボットだからって、

 森のことを全部知っているわけじゃないもの」

「それは……そうね」

 

ニーナが小さく尻尾を振った。

「デラミさんは、今日、森で蔓草に捕まったそうです」

私は頷いた。

「あの蔓草は、本当に困るのよね。

 私、あと三回壊れたら廃棄処分案件です」

 

フジカさんの顔から笑みが消えた。

「……それは、ずいぶん厳しいわね」

 

「だから、壊れた足をピンクに塗ったんです。

 名誉の負傷です」

「なるほど」

フジカさんは、私のピンクの足を見つめた。

「あなたにとっては、名誉の負傷なのね」