小説を連載しています。
「百輪女子高DAYS(デイズ)」シリーズです。
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(通し番号は、2章の「勧誘」から1を振っていきます)
(前作「百輪村物語」のパラレルワールドです。
登場人物の性別が逆転し、年齢も若くなっています。
前作を読まなくても大丈夫です。)
なんのこっちゃ?の方はこちらから→ 告知
「女子高」のまとめはこちら → 百輪女子高DAYS 目次
「村」のまとめはこちら → 百輪村物語 目次
登場人物名は、アルファベット表記です。
A(3-5 スケバンのボス) 悪久亜 アクアB(2-3担任・家庭科担当) 芭蕉先生 バブルC(2-3 生徒会副会長) 千枝 クララD(2-3 転校生) 大奈 ディアナE(2-3クラス委員・生徒会書記)栄子 エーデルF(1-1 DIY部・部長) 文子 フェリスG(1-4 DIY部・副部長) 月夏 ゲイナH(百輪女子高の教頭) 広瀬先生 ヒラリーJ(3-4 生徒会会長) 純子 ジャニスK(草切男子校2年) 加流 カールL(百輪女子高の校長) 蘭堂先生 リンドンM(1-2 ダズンのヘッド) 正美 マーシアダズン=1年の不良グループ名O(草切男子校3年) 織音 オリオンP(2-3) 風由子 プリシアρ(Kの母親 美容師) 六花 ローズ
では、どうぞ。↓
見えない開拓(3)
JとAによる職業体験の感想文は、
どんどんたまっていきました。
進路指導の先生が、
これまでのファイルを二人の前に置き、
「ずいぶんと体験してきましたが、その後どうですか?」
と尋ねます。
Jは顔を上げて、
「どれも面白くて、決められないです」と
正直な感想を述べました。
Aは神妙な顔で、
「やりがいって、どこにあるんですかね?」
と先生に逆に質問で返しました。
先生は腕を組んで「うーん」と悩みました。
まだ結論が出ないまま、Jは生徒会室に行きました。
久しぶりに会う書記のEと副会長のCの顔。
J「ただいま~」
C「会長、お元気そうですね」
E「今、お茶を淹れますね。ポテチ、ありますよ」
J「わーい、ありがとう」
Jはさっそく自分の定位置に座ると、
バリっと袋を開けました。
C「その後、どうですか?見学ツアー」
J「うん。面白いよ。Aといろんな体験してるよ。
この間は、発掘手伝ったら、
地層からアンモナイトを見つけたんだ」
E「それは興奮しますね」
J「でもさあ、これって、
最初だから面白いだけなのかなあ。
毎日やってたら、飽きちゃわないかなあ」
C「どうかしら。
でも、何度やっても飽きないものが一番なのでは?」
J「それはそう」
E「ずっとやっていたいもの、ありました?」
J「うーん。・・・ひとつに決められないっていうのは、
逆に、これぞ、がない気もするしなあ」
EはJにお茶の入った紙コップを置きました。
E「ひとつに決めなくてもいいんじゃないですか?」
J「え?」
E「飽きたら転職するという選択肢もありますよ」
J「あー、そっかー。
なんか、思ったんだけど、
例えば『看護師を目指す』っていう
職業の探し方もいいかもしれないけど、
そのとき、自分が面白いって思ったものに
飛び込むのもありかもね」
C「仕事にも旬があるってことでしょうか」
J「うん。
今一番ひかれる奴を選んで、
転々とするのも、いいかもな~」
E「Aさんは、どんな様子ですか?」
J「やりがいが欲しいって言ってたよ。
面白いとは別かな」
E「仕事に意味を見いだしたいんでしょうか」
J「そこはわかんないな。Aに聞いて」
この後もJとAは次々と職場見学に行っては、
感想文を書きました。
先生は、それらを、
「職業体験レポート」と背表紙に書かれた
分厚いファイルに、丁寧にまとめていきました。
――こうして、
百輪女子高の進路指導室の資料は充実し、
Jたちが卒業したあともそのレポートは活用されて、
進路で悩んだ後輩たちの可能性が大きく広がるのでした。
けれど、それはずっと後のお話です。
(「見えない開拓」終)