小説を連載しています。
「百輪女子高DAYS(デイズ)」シリーズです。
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(通し番号は、2章の「勧誘」から1を振っていきます)
(前作「百輪村物語」のパラレルワールドです。
登場人物の性別が逆転し、年齢も若くなっています。
前作を読まなくても大丈夫です。)
なんのこっちゃ?の方はこちらから→ 告知
「女子高」のまとめはこちら → 百輪女子高DAYS 目次
「村」のまとめはこちら → 百輪村物語 目次
登場人物名は、アルファベット表記です。
A(3-5 スケバンのボス) 悪久亜 アクアB(2-3担任・家庭科担当) 芭蕉先生 バブルC(2-3 生徒会副会長) 千枝 クララD(2-3 転校生) 大奈 ディアナE(2-3クラス委員・生徒会書記)栄子 エーデルF(1-1 DIY部・部長) 文子 フェリスG(1-4 DIY部・副部長) 月夏 ゲイナH(百輪女子高の教頭) 広瀬先生 ヒラリーJ(3-4 生徒会会長) 純子 ジャニスK(草切男子校2年) 加流 カールL(百輪女子高の校長) 蘭堂先生 リンドンM(1-2 ダズンのヘッド) 正美 マーシアダズン=1年の不良グループ名O(草切男子校3年) 織音 オリオンP(2-3) 風由子 プリシアρ(Kの母親 美容師) 六花 ローズ
では、どうぞ。↓
見えない自由(5)
夜。
Cの家では、父親が静かに怒っていました。
「C、ここに座りなさい」
Cが黙ってソファーへ腰を下ろすと、
父親は短く息を吐き、間髪入れずに切り出しました。
「またデートをすっぽかしたそうだな」
C「チケットを有効活用しただけです」
「ああ言えばこう言う。
お前のわがままを聞いて、
貧乏学校に入学させてやったが、
こちらの要望にもこたえて欲しいものだ」
C「お父様。百輪女子高の悪口はやめてください」
父親は苦々しそうに顔をしかめました。
「お前は昔から体が弱い。
無理して倒れてしまう姿を、私は何度も見てきた。
安心して暮らせる場所があれば、
それでいいんだ」
うつむく娘に、父親は今度は声をやわらげます。
「いいな、全員に会うんだ。
条件はそろっている。
お前を幸せにしてくれるはずだ」
C「どの人も私の選択肢じゃありません」
Cは眉をひそめたまま、顔をそむけます。
父親は、ソファーに深く身を沈めました。
「・・・好きな人がいるのか?
それなら紹介しなさい。
ただし、しかるべき人でなければ、
あきらめてもらうがな」
Cはゆっくりと父親の方へ向き直りました。
C「私の選択は、こうです」
数日後。
Cは、2年3組の教室で、ニコニコしていました。
DがCに笑いかけます。
D「すごくうれしそう。こっちまで顔がゆるむわ。
どうしたの?何かあったの?」
C「ちょっと良い将来が見えてきたのよ」
D「え?ひょっとして、誰かに決めたの?」
Cは微笑んで、ゆっくりと首を横に振りました。
C「ううん。
私、受験する許可をもらったの」
D「え、結婚じゃなくて?」
C「そう。
大学で経営を学んで、女社長になるわ。
そのほうが、面白そうだもの」
D「おお~~、ナイス!」
C「ふふっ。戦いはまだこれからだけどね」
Cは、窓の向こうの青空を、まぶしそうに見上げました。
(「見えない自由」終)