小説を連載しています。
「百輪女子高DAYS(デイズ)」シリーズです。
↑
(通し番号は、2章の「勧誘」から1を振っていきます)
(前作「百輪村物語」のパラレルワールドです。
登場人物の性別が逆転し、年齢も若くなっています。
前作を読まなくても大丈夫です。)
なんのこっちゃ?の方はこちらから→ 告知
「女子高」のまとめはこちら → 百輪女子高DAYS 目次
「村」のまとめはこちら → 百輪村物語 目次
登場人物名は、アルファベット表記です。
A(3-5 スケバンのボス) 悪久亜 アクアB(2-3担任・家庭科担当) 芭蕉先生 バブルC(2-3 生徒会副会長) 千枝 クララD(2-3 転校生) 大奈 ディアナE(2-3クラス委員・生徒会書記)栄子 エーデルF(1-1 DIY部・部長) 文子 フェリスG(1-4 DIY部・副部長) 月夏 ゲイナH(百輪女子高の教頭) 広瀬先生 ヒラリーJ(3-4 生徒会会長) 純子 ジャニスK(草切男子校2年) 加流 カールL(百輪女子高の校長) 蘭堂先生 リンドンM(1-2 ダズンのヘッド) 正美 マーシアダズン=1年の不良グループ名O(草切男子校3年) 織音 オリオンP(2-3) 風由子 プリシアρ(Kの母親 美容師) 六花 ローズ
では、どうぞ。↓
見えない自由(2)
窓際の席に通され、
Dがオレンジジュースに口をつけた頃、
男性は少し言いにくそうに口を開きます。
「実は、Cさんと僕は、・・・結婚の話があってね」
D「えっ?婚約者さんですか?」
「正式ではないけど、候補の一人なんだ。
彼女は、そういう立場だから」
Dは絶句しました。(そういう立場って・・・)
「彼女のこと、何か知らないかな。
教えてくれたら、お礼はする」
男性は名刺を一枚、テーブルに滑らせます。
そこには、有名な会社名と肩書、そして名前がありました。
Dはそれを、そっと押し返しました。
D「あの・・・知りたいなら、Cに直接聞いてください」
「・・・会っても、まともに話せなくてね。
とげのある言葉が返って来るだけなんだ」
男性は苦笑いして、コーヒーを飲みます。
D「・・・Cは、自分を守ってるんだと思います」
「そうか。でも、親同士の話がある。
僕も彼女も、簡単には断れないんだ」
D「・・・Cからは断れないんですか?
そんなの、ぜんぜん幸せじゃない・・・かも」
「・・・うまく行く場合も、あるけどね」
男性はそう言って、小さく笑うと、
窓の外に目を向けました。
その横顔は、どこか寂しそうでした。
翌朝、教室で、Cが尋ねました。
C「リサイタル、どうだった?生演奏、良かった?」
D「うん。ホント、最高だったわ。
リアルだと音がぜんぜん違うんだもん」
Dは、いったん嬉しそうに笑った後、
少し言いにくそうに、Cの顔をそっとうかがいました。
D「C・・・あのね、
隣の席の人とお話したんだけど・・・」
C「D・・・。無視して、って言ったのに」
Cの笑顔はすっと消え、
その目線はどこか遠くを見るようにDから離れました。
D「お互いに嫌なのにデートしてるの?」
C「デートなんかじゃないわ。面接よ。
私ね、卒業したら、誰か決めなきゃいけないの。
どれもみんな親フラグ付きよ」
D「ええ?そんなの・・・」
Cは、机に頬杖をつき、ふっと息を吐きました。
C「札束が結婚すればいいのに。人間抜きで」
(続く)