小説を連載しています。
「百輪女子高DAYS(デイズ)」シリーズです。
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(通し番号は、2章の「勧誘」から1を振っていきます)
(前作「百輪村物語」のパラレルワールドです。
登場人物の性別が逆転し、年齢も若くなっています。
前作を読まなくても大丈夫です。)
なんのこっちゃ?の方はこちらから→ 告知
「女子高」のまとめはこちら → 百輪女子高DAYS 目次
「村」のまとめはこちら → 百輪村物語 目次
登場人物名は、アルファベット表記です。
A(3-5 スケバンのボス) 悪久亜 アクアB(2-3担任・家庭科担当) 芭蕉先生 バブルC(2-3 生徒会副会長) 千枝 クララD(2-3 転校生) 大奈 ディアナE(2-3クラス委員・生徒会書記)栄子 エーデルF(1-1 DIY部・部長) 文子 フェリスG(1-4 DIY部・副部長) 月夏 ゲイナH(百輪女子高の教頭) 広瀬先生 ヒラリーJ(3-4 生徒会会長) 純子 ジャニスK(草切男子校2年) 加流 カールL(百輪女子高の校長) 蘭堂先生 リンドンM(1-2 ダズンのヘッド) 正美 マーシアダズン=1年の不良グループ名O(草切男子校3年) 織音 オリオンP(2-3) 風由子 プリシアρ(Kの母親 美容師) 六花 ローズ
では、どうぞ。↓
見えない迷子(3)
カラコロと氷が揺れるグラスを持ち、
ゆっくり席に戻る途中、Dはひらめきました。
テーブルにそっとグラスを置いて、Jに言います。
D「あの、Jさん。
また、Kさんのとこ、行ってみます?
元気がもらえると思いますよ」
J「えー?他校の男子に何がわかるっての?」
D「いやその・・・髪をきれいにしてもらったら、
気分が明るくなりますよ、きっと・・・たぶん」
Jはレモンスカッシュをストローで一気に飲み干しました。
氷だけのグラスをタンと音をたててテーブルに置き、
小さくげっぷをしました。
そして、そのまま動かなくなりました。
Jの目はうつろで、半分魂が抜けたようです。
DはKのことを持ち出したことを後悔していましたが、
このままJを放置するわけにもいかず、
(何も行動しないよりはいいかも)と思い直しました。
Dはレジに行き2人分のお金を支払ってからまた戻り、
よれよれのJに肩を貸しながらKの美容室に向かいます。
(うう、なんでこんなことに) と、Dも泣きそうでした。
「あ、いらっしゃいませ、生徒会長のJさん。
お久しぶりですね。それからD、こんにちは」
Kは美容室のドアから入ってきた2人に
朗らかに挨拶しました。
Dは複雑な顔で「こんにちは、Kさん」と言います。
Jは生徒会長であることを思い出したのか、
少しシャキッとした姿勢に戻りました。
J「こんにちは。またお願いしていいでしょうか?」
K「ええ、もちろん。さあ、どうぞ」
KはJを奥へ案内しました。Dは
「あの、私は付き添いなので、こっちにいますね」
と声掛けして、待合場に座りました。
Jは洗髪のチェアに座ると、指を組み、目をつぶりました。
J「もう、どんな髪型にしてくださっても結構ですから。
五分刈りでもモヒカンでもハゲつるピッカでも。ははっ」
Dはびっくりして、雑誌を取り落としました。
D「じ、Jさん!!落ち着いてください!」
K「・・・Jさん、とりあえず流しますから、
リラックスしてくださいね」
Kはいつもより時間をかけて、温かいシャワーをJの頭に
まんべんなくかけていきました。
頭皮がぬくもり、徐々にJの体の緊張もほぐれていきました。
Dも、やれやれと、また椅子に座りました。
「こちらへ移動してくださいね」
とKが鏡の前のチェアにいざなうと、Jは力なく座ります。
Kはケープをかけてコームで髪を念入りにとかしました。
Jは鏡に映るKから目をそらして話しかけます。
J「・・・Kさんって、草切高校の何年生ですか?」
K「2年生です」
J「そう。私は3年なんだけど」
K「そうですか。一つ上の先輩ですね」
J「じゃあ、受験ってまだまだ先よね。
こっちは色々と崖っぷちなの」
K「ああ・・・今一番しんどい時期ですよね」
J「お先真っ暗よ、マジで」
Dは雑誌の端から目をのぞかせ、
(ああ、きっとKさん困ってるだろうな・・・)と
心の中でKに何度も土下座していました。
(続く)