小説を連載しています。
「百輪女子高DAYS(デイズ)」シリーズです。
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(通し番号は、2章の「勧誘」から1を振っていきます)
(前作「百輪村物語」のパラレルワールドです。
登場人物の性別が逆転し、年齢も若くなっています。
前作を読まなくても大丈夫です。)
なんのこっちゃ?の方はこちらから→ 告知
「女子高」のまとめはこちら → 百輪女子高DAYS 目次
「村」のまとめはこちら → 百輪村物語 目次
登場人物名は、アルファベット表記です。
A(3-5 スケバンのボス) 悪久亜 アクアB(2-3担任・家庭科担当) 芭蕉先生 バブルC(2-3 生徒会副会長) 千枝 クララD(2-3 転校生) 大奈 ディアナE(2-3クラス委員・生徒会書記)栄子 エーデルF(1-1 DIY部・部長) 文子 フェリスG(1-4 DIY部・副部長) 月夏 ゲイナH(百輪女子高の教頭) 広瀬先生 ヒラリーJ(3-4 生徒会会長) 純子 ジャニスK(草切男子校2年) 加流 カールL(百輪女子高の校長) 蘭堂先生 リンドンM(1-2 ダズンのヘッド) 正美 マーシアダズン=1年の不良グループ名O(草切男子校3年) 織音 オリオンP(2-3) 風由子 プリシアρ(Kの母親 美容師) 六花 ローズ
では、どうぞ。↓
見えない一歩(3)
K「・・・Aさん、終わりましたよ」
AはKの言葉にハッとして、目を覚ましました。
鏡の前には、アメコミのスーパーウーマンのような、
超ワイルドでセクシーな女性が映っています。
A「こっ・・・これが・・・ワタシ?
ど、どうやって・・・」
思わずAは、椅子から身を乗り出し、
大きく目を見開いて鏡に顔を寄せました。
K「お気に召しましたか?」
A「あ・・・あなた、魔法使い?」
Aは鏡から振り向いて、Kの方に顔を向けました。
K「いえ、ただの美容師の卵ですよ」
KはAに今後のヘアケアを説明しました。
日々のブラッシングは毛先から行うこと、
洗髪の後、抑えるように水分をタオルに移すこと、
頭皮マッサージをこまめにやること、
なるべく夜はちゃんと寝ること、
水分を多めに摂ること、・・・などを。
「わ、わかったわ。ありがとうございます」
AはKにお礼を言って、店を出ました。
翌日の3年5組では、感嘆の声があがります。
「え、Aさん、きれい」
「すご」
「女優さんみたい」
Aは余裕の笑みを浮かべ、
「ふん、元がいいからね」と
年下のクラスメイトたちに言いました。
まるで当然のように振る舞っていましたが、
幼少期から容姿を褒められたことのなかったAには、
どこかくすぐったくて ――
時折、自分の髪をなでたり、
洗面台で鏡を見るたびに、ほほを染めるのでした。
スケバングループの中でも、
ボスAの変わりように
手下たちがほれぼれし、感涙しました。
「バカねえ。大袈裟じゃないの」
と片手を振りながらも、
内心では、にやけるのをこらえるのに必死でした。
Aは、ただ暴れまわるのがなんだか恥ずかしくなってきて、
自分からけしかけるケンカの回数が減り始めました。
近所でのAの評判は、怖いだけの暴走女から、
落ち着きのある女傑イメージへと変貌しました。
他校のスケバンたちは、
百輪女子高のAの美とカリスマ性があがったのを見て、
自分たちもなにやらケンカをするのを控えだし、
街中の雰囲気も、穏やかになってきました。
そして、Aのビフォーアフターにより、
K美容室のヘアカットモデルの応募者数は
うなぎ上りになり、
生徒会室前の応募箱を大きくしないと
応募用紙が入らないほどになりました。
生徒会室では、Jがつまらない顔です。
「最近、特別清掃の機会がないんだけどさ~」と。
副会長のCと書記のEは
「まあまあ」
「平和が一番ですよ」
となだめながら、
お茶と季節限定のポテチをJに差し出しました。
(「見えない一歩」終)