小説を連載しています。
「百輪女子高DAYS(デイズ)」シリーズです。
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(通し番号は、2章の「勧誘」から1を振っていきます)
(前作「百輪村物語」のパラレルワールドです。
登場人物の性別が逆転し、年齢も若くなっています。
前作を読まなくても大丈夫です。)
なんのこっちゃ?の方はこちらから→ 告知
「女子高」のまとめはこちら → 百輪女子高DAYS 目次
「村」のまとめはこちら → 百輪村物語 目次
登場人物名は、アルファベット表記です。
A(3-5 スケバンのボス) 悪久亜 アクアB(2-3担任・家庭科担当) 芭蕉先生 バブルC(2-3 生徒会副会長) 千枝 クララD(2-3 転校生) 大奈 ディアナE(2-3クラス委員・生徒会書記)栄子 エーデルF(1-1 DIY部・部長) 文子 フェリスG(1-4 DIY部・副部長) 月夏 ゲイナH(百輪女子高の教頭) 広瀬先生 ヒラリーJ(3-4 生徒会会長) 純子 ジャニスK(草切男子校2年) 加流 カールL(百輪女子高の校長) 蘭堂先生 リンドンM(1-2 ダズンのヘッド) 正美 マーシアダズン=1年の不良グループ名O(草切男子校3年) 織音 オリオンP(2-3) 風由子 プリシアρ(Kの母親 美容師) 六花 ローズ
では、どうぞ。↓
見えない一歩(2)
百輪女子高でスケバングループのボスであるAは、
自分の髪質に密かに悩んでいました。
天然パーマでどこまでも縦横無尽に広がる長髪、
栄養の行き届いたコシのある剛毛・・・
ほうっておくとパーティ用カツラのごとく
アフロな状態、もっとハッキリ言えば爆発頭になります。
Aは毎朝、半狂乱になりながら
力づくでヘアブラシで下方へと落ち着かせ、
無理矢理二つに結んで登校しているのです。
スケバンとはいえ、かわいくなりたいお年頃。
ドキドキしながら、勇気を出して
(一回、一回だけよ、A)と自分を鼓舞しながら、
震える手で応募箱に「3ー5ー1」の紙を入れました。
その、たった一回の勇気が、運命を変えました。
Aはカットモデルの予約日をスケバングループに告げ、
その日の集会をオフにしました。
Aは放課後、Kの美容室に肩で風を切って向かいます。
けれど、うすっぺらな学生鞄を持つ手は、
脂汗でじっとりしていました。
Aは過去の思い出がよみがえります。
「やーい、爆発頭」「鳥の巣~」と
同級生の小学生男子にからかわれたあの日を。
(カットの人は草切男子校の生徒らしいし・・・。
同年齢の男子って、デリカシーないからヤダわ。
指を差されて笑われたら、末代までの恥。
なんで応募しちゃったんだろう、ワタシ。
どうしよう、やっぱり、やめようか・・・)
美容室の前でなかなか入れず、ウロウロしていると、
ドアの中から爽やかな笑顔の青年が出てきました。
K「ご予約のAさんですか?
どうぞ。お入りください」
A「・・・」
Aは無言で頷くと、ボスらしく胸を張って中に入りました。
KはAの鞄を受け取ると、洗髪の席に促します。
K「本日は、ヘアカットモデルになっていただき、
ありがとうございます。
道、わかりました?
ちょっと住宅街で分かりづらい場所だから」
A「すぐわかりました」
(縄張りはぜんぶわかってるわよ)
と心でツッコみます。
K「良かった。では、御髪を濡らしますね」
Aの心は、少し落ち着きをとり戻しました。
(なーんだ、ふつうの美容院じゃない)
次は、カットの席に移動します。
K「とても豊かな髪ですね。
・・・うーん。若干ボリュームを落としてみます?
それとも、このボリュームを活かしましょうか」
A「活かす?そんなことが出来るの?
こんなに広がって、どうしようもないのに」
K「広がりの欲しい方には
パーマをかけるんですけど、
あなたにはそれが必要ないでしょう?」
A「・・・毎朝、この髪と格闘しては絶望してるの。
なんとかなるといいけど」
K「そうでしたか。毎朝となると大変でしょうね。
では、ボリュームを落とす方向で。
痛みもあるので美容液を使わせてもらいます。
あとは、5センチほど切らせてください。
先にちょっとだけ、頭皮マッサージしていいですか?
血行を良くすると、うねりがおさまることもあるので」
A「・・・おまかせするわ」
K「やり方をお教えしながらやりますね。
爪を立てずに、指の腹で行ってください。
パーツとしては、前側、側頭部、後ろ側でやります。
まず、前側いきます。
・・・いた気持ち良い強さで、こうして・・・」
KのマッサージでAの緊張は完全にほぐれ、
(あ、なんだか・・・眠気が・・・)
と、Aはついウトウトしてしまいました。
(続く)