小説を連載しています。
「百輪女子高DAYS(デイズ)」シリーズです。
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(通し番号は、2章の「勧誘」から1を振っていきます)
(前作「百輪村物語」のパラレルワールドです。
登場人物の性別が逆転し、年齢も若くなっています。
前作を読まなくても大丈夫です。)
なんのこっちゃ?の方はこちらから→ 告知
「女子高」のまとめはこちら → 百輪女子高DAYS 目次
「村」のまとめはこちら → 百輪村物語 目次
登場人物名は、アルファベット表記です。
A(3-5 スケバンのボス) 悪久亜 アクアB(2-3担任・家庭科担当) 芭蕉先生 バブルC(2-3 生徒会副会長) 千枝 クララD(2-3 転校生) 大奈 ディアナE(2-3クラス委員・生徒会書記)栄子 エーデルF(1-1 DIY部・部長) 文子 フェリスG(1-4 DIY部・副部長) 月夏 ゲイナH(百輪女子高の教頭) 広瀬先生 ヒラリーJ(3-4 生徒会会長) 純子 ジャニスK(草切男子校2年) 加流 カールL(百輪女子高の校長) 蘭堂先生 リンドンM(1-2 ダズンのヘッド) 正美 マーシアダズン=1年の不良グループ名O(草切男子校3年) 織音 オリオンP(2-3) 風由子 プリシアρ(Kの母親 美容師) 六花 ローズ
では、どうぞ。↓
見えない空気(3)
ジャガイモ掘りのイベントの日。
百輪女子高は、良い天候に恵まれました。
敷地内の広い畑から、
女子生徒たちの声があちこちで上がります。
「マジ、手ぇ汚れるんだけど~」
「腰、痛~い」
「ちょっと、このイモ、でかすぎ。見てー」
「いやーん、ミミズ出たぁ~」
「皮むきが無間地獄!」
「きゃー、油跳ねた~~」
文句ばかりだけれど、みんな笑顔です。
タオルを首に巻いたCが、
芋づるをつかんでいるEの所にやってきました。
C「どうして急に提案ひっこめたの?雨降るかと思った」
E「・・・Cの言いたかったこと、
なんとなくわかったから」
C「しんどいって言葉を拾うのもわかるわ。
でも、文字だけじゃないのよね、あの空気とか」
E「そうね」
立ち上がったEが畑全体を見渡すと、
芋掘りや土いじりで大騒ぎしているみんなが見えました。
畑のそばでは、
テントの下で楽しそうに油を揚げる校長Lや先生方。
別のテントでは、揚げたてのポテトを
小さな紙皿に取り分ける係の生徒たちがいます。
生徒会長Jや、Dも、ポテトを配る係でした。
ふとDが、CとEが仲良くしゃべっているのに気づき、
嬉しそうに二人に手を振りました。
CはDに手を振り返すと、
「私もあっちを手伝ってくるわね」と、Eから離れました。
Cが去った後、心の軽くなったEが
また足元の芋畑に目を向けようとしたとき、
校庭のフェンスの向こうに立つ
草切男子校生のKとOが見えました。
Eは近くにあるビニール袋2つに
2、3個のジャガイモを入れると、
裏門を通ってふたりに近づきました。
E「K、これ。少ないけど、お礼です。Oもどうぞ」
K「ありがとう。仲直りしたんだね。良かったね」
E「おかげさまで」
OはEから袋を受け取ると、嬉しそうに言いました。
O「ねえE、今度うちの学校と、合同で劇をやらない?
君が”眠れる森の美女”で、僕が王子役でさ」
Eはちょっと目を見張ったあと、
「枝毛が増えそうなので、私は辞退しますね」
とほほ笑んで言いました。
O「はい?枝毛?」
Oはきょとんとし、Kは笑いをこらえました。
(「見えない空気」終)