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今連載中の小説「百輪女子高DAYS」は
1週間ほどお休みして、
今回は別の、独立したお話を載せます。![]()
(全7話予定です)
突然ですが、
2026年5月29日に全国ロードショーされるという
「箱の中の羊」。
すごく楽しみなんです~![]()
楽しみ過ぎて、ちょっと遊びたくなりました![]()
息子7才のヒューマノイドを夫婦が引き取る話。
夫=工務店の社長。
妻=建築士。
・・・という設定だけを拾い、
ほぼミリしら(=一ミリも知らない)状態で、
自分なりに勝手に妄想して、
今回、小説にしてみました。
(映画のあらすじや予告は見ていません)
もちろん、
映画のほうが百万倍も良いに決まってますが、
「私だったらどう味付けするかな?」
という、お遊びです。
「AIの養子を得た夫婦」の
ひとつのパターンとして、
楽しんでもらえたら嬉しいです💖
タイトルは「見えない羊」です。
では、どうぞ ↓
見えない羊(1)
それは、妻の突然の一言から始まった。
「ねえ、マサオ・・・。子ども、欲しくない?」
工務店の社長をしているオレは、自宅の書斎で、
あやうくパソコンの全データを消すところだった。
「は?え?なんで、そんなこと。いまさら・・・」
うろたえながらオレは、背後のドアを振りかえる。
結婚当初、あれほどオレが欲しがったのに、
妻のショウコは「騒がしいし、世話が大変そう」と言って、
突っぱねた。だから、諦めた。そして20年経った。
そう、今更だ。オレたちはもう、50を過ぎた。
「ねえ、見て」
入り口に立っていた妻は、オレのパソコンの方に来ると、
新たな画面を立ち上げ、「人型AI おしゃべり育児」と
検索窓に入れた。
すぐさまヒットしたその画面には、
目鼻立ちの整った男の子と女の子の
正面を向いたバストショットが出てきた。
人間そっくりの姿かたちをして、
目がガラス玉のように透き通っている。
髪もさらさらだ。
「どう?かわいいでしょう?」
「子どもって、・・・これぇ?」
オレの口から、自分でも驚くほど素っ頓狂な声がでた。
それを無視して、妻はしゃべる。
「だってほら、騒がしくないし、おとなしいし、
頭がいいし、世話も簡単。お手伝いもしてくれそう。
ね?男の子と女の子、どっちがいい?」
「待てって。話をどんどん進めないでくれよ」
オレは、おでこを片手でこすった。
入力しようとした仕事のデータが頭からすっ飛んでしまった。
仕事中は、お茶時間でもない限り、
お互いに部屋には入らない。
なのに、今日のショウコはどうかしている。
最近のネットニュースで、ちらりと見た気がする。
人間の子どもにそっくりなロボットを
可愛がる人たちが増えているという、
眉唾な話だった。
(流行に乗りたいのだろうか?)と、ふと疑問に思った。
「だって、マサオ。前に子どもが好きって言ってたし」
「・・・それは、自分の血を分けた子の話だよ。
AIなら、いらない」
オレは、何とかの壁と言いたかったが、言葉が浮かばない。
すぐさまネットで調べる。・・・あ、不気味の谷か。
「ほら、不気味の谷って言葉があるくらいだ。
ショウコだって最初は可愛いって思ってても、突然、
嫌悪感が出るかもしれないだろう?やめておけよ」
妻は口を引き締めた。そして両手を合わせてくる。
「・・・。もし合わなかったら、すぐ返品するわ。
一度だけ、一度だけでいいの。お願い」
オレは、顎をさすって、しばらく考えた。
「じゃあ、あとで、サイト内を調べるよ。
でも、これだけ教えて。なんで急に?」
「・・・新しい風が、欲しくなったの」
(続く)