小説です。「百輪村物語」の第三部です。

 

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登場人物名は、アルファベット表記です。

(和名と英名の、覚えやすい方で読んでください)

 

 
【今回の登場人物たち】
【百輪村の人】
E(村長&小学校教諭)  栄一  エデン
K(理容師・Eの妻)   加恵  カーラ
R(EとKの息子)    陸 ライアン(ジュニア)
 
D(大工→建築士)    大吾  デイビッド
L(揚げ物屋)       蘭子  ルイーズ
 
C(牧場主→村の守護霊) 千太郎  クリス
師匠(守護霊・Cの先生)
 
【草切村の人】
J(キックボクサー → インストラクター) 純  ジャック

 

では、どうぞ。↓

 

見えない安息(C編)(3)

 
 
師匠が去って行ったあと、Cはぼんやり考えました。

 

「なんだ、そうか。

 師匠に再会した時に、

『村の守護霊に昇格だ』って言われてたけど、

 別に霊格がそんなに上がったわけじゃなかったんだな。

 

 まあいいや。

 これからも魂磨きは続くんだし。

 ゆっくりやればいいか」

 

苦笑しつつもCは、穏やかな気持ちでいました。

 

そのとき、Cの後ろで小さなくしゃみが聞こえます。

 

振り向くと、Eだけが目を覚ましたようでした。

 

Eは一旦立ち上がり、木の後ろに移動して座ると、

煙草を吸い始めました。 

 

 

そんなEのそばへ、Cが静かに近づくと、

気配に気づいたわけでもないのに、

急にEが独り言を言いました。

 

「・・・C、近くにいるんだろう?

 君から見て、今の百輪村はどうだい?」

 

 

Cは、声をかけられて驚きつつも、

心から礼を述べました。

 

「村を良くしたいっていう夢が叶ったよ。

 ありがとう、E。

 おかげで、僕の執着が消えたよ」

 

そして透明の手で、Eの肩をそっと撫でました。

 

 

すると、前を向いたまま、Eはふっと笑いました。

 

「なら良かった。

 オレも満足してるんだ、ここまでこられてさ。

 すべてのことは全部、つながってたんだな・・・」

 

CはEの横に座り、感慨深げに言いました。

 

「本当だね。・・・すべて、つながってるね。

 魂の世界では、粋な計らいが起きているんだね・・・」

 

 

EとCは、樹のそばで並んで座ったまま、
丘の下に広がる百輪村を、静かに眺めていました。
 
 
 
 

 

ending music

 

いつの日か - こおろぎ’73

 

 

 

 

 

「百輪村物語」 (完)