小説です。「百輪村物語」の番外編です。

 

小説と漫画をまとめた目次はこちら→ 百輪村物語 目次

 

 

登場人物名は、アルファベット表記です。

(和名と英名の、覚えやすい方で読んでください)

 

☆主人公は、村長のEと大工のDです。
 
【今回の登場人物たち】
E(村長)       栄一  エデン
D(大工)       大吾  デイビッド
P(カメラ屋)      三平  ピート
K(美容師・Eの妻)   加恵  カーラ

 

今回のお話は、

本編(第20章と第22章)の後日談になります。

 

が、本編を読まなくても大丈夫です。・・・たぶん。

 

(本編の、若干のネタバレにはなりますが、

 気にしない方はそのまま番外編をお読みください)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

では、どうぞ。↓

 

見えない帳尻(2)

 

 

 

 

Eは、しばらく考えたのち、考えを述べました。

 

「感情や被害の数で帳尻をそろえようとしたら、

 負の連鎖が雪だるま式に増えるんじゃないか?

 

 Pの私への恨みの数はいくつだったんだろうか?

 それでいて実際にPがやったことは、

 ”催眠術をかける”という1点だ。

 それによって私が自分を制御できなくなり、

 結果として被害が拡大したようにも思える。

 

 Kを泣かせたのは、Pなのか私なのか。

 私は被害者か、加害者か。

 

 そんな私を正気に戻すために、

 直接、瓶を割ったのは、Dだ。

 それをPの過失としてカウントすべきか?

 

 腹が立った私やDが、もしPを殴ったら、

 それは今後のPにとって

 新たな”借り”になるのではないか?

 

 ・・・帳尻ってどう合わせる?」

 

Dは、眉をひそめました。

「えー?原因を作ったのはPだろ?

 俺たちはみんな被害者に決まってるだろ?」

 

「確かにPが元々だ。

 が、その催眠術に対しての対価はどこまでか・・・。

 損害賠償として、全部Pにぶつけていいものかどうか。

 

 つまり、相手からされた分をお返ししようとするのは、

 難しいって話だ。

 やられたら、やりかえす。

 それを続けても、帳尻はそろわない。

 むしろ、いつまでたっても終わらなくなる・・・」

 

「E、コーヒーを飲めよ。

 いつもそんなことを、あれこれ考えてるのか?

 もっとシンプルに考えればいいんじゃないか?」

 

 

 

(続く)