登場人物名は、アルファベット表記です。
(和名と英名の、覚えやすい方で読んでください)
E(村長) 栄一 エデンD(大工) 大吾 デイビッドP(カメラ屋) 三平 ピートK(美容師・Eの妻) 加恵 カーラ
今回のお話は、
本編(第20章と第22章)の後日談になります。
が、本編を読まなくても大丈夫です。・・・たぶん。
(本編の、若干のネタバレにはなりますが、
気にしない方はそのまま番外編をお読みください)
では、どうぞ。↓
見えない帳尻(2)
Eは、しばらく考えたのち、考えを述べました。
「感情や被害の数で帳尻をそろえようとしたら、
負の連鎖が雪だるま式に増えるんじゃないか?
Pの私への恨みの数はいくつだったんだろうか?
それでいて実際にPがやったことは、
”催眠術をかける”という1点だ。
それによって私が自分を制御できなくなり、
結果として被害が拡大したようにも思える。
Kを泣かせたのは、Pなのか私なのか。
私は被害者か、加害者か。
そんな私を正気に戻すために、
直接、瓶を割ったのは、Dだ。
それをPの過失としてカウントすべきか?
腹が立った私やDが、もしPを殴ったら、
それは今後のPにとって
新たな”借り”になるのではないか?
・・・帳尻ってどう合わせる?」
Dは、眉をひそめました。
「えー?原因を作ったのはPだろ?
俺たちはみんな被害者に決まってるだろ?」
「確かにPが元々だ。
が、その催眠術に対しての対価はどこまでか・・・。
損害賠償として、全部Pにぶつけていいものかどうか。
つまり、相手からされた分をお返ししようとするのは、
難しいって話だ。
やられたら、やりかえす。
それを続けても、帳尻はそろわない。
むしろ、いつまでたっても終わらなくなる・・・」
「E、コーヒーを飲めよ。
いつもそんなことを、あれこれ考えてるのか?
もっとシンプルに考えればいいんじゃないか?」
(続く)

