小説です。「百輪村物語」の番外編です。

 

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登場人物名は、アルファベット表記です。

(和名と英名の、覚えやすい方で読んでください)

 

☆主人公は、村長のEと大工のDです。
 
【今回の登場人物たち】
E(村長・小学校教諭) 栄一  エデン
D(大工)       大吾  デイビッド
U(バーテンダー)   梅吉  ウニー

 

では、どうぞ。↓

 

見えない評価(3)

 

 

 

そのバーを出た後、Dが言いました。

「どうするE?もう一軒、聞いてみるか?」

 

「うん。情報は多い方がいい」

 

EとDは、その日4軒ほど回ったため、

そのため、Dはかなり酔ってしまいました。

「うー、飲み過ぎたー」

「大丈夫かい?」

Eは水のペットボトルを自販機で買い、渡します。

 

「E、おまえ、酒強いな」

「話がメインで、あまり飲んでないからね」

「あ、その手があったか。俺つい飲んじゃった~」

Dは、照れ笑いをしつつ、水を飲みました。

 

「でも、Dが酔ってたおかげで、

 バーテンダーたちの話もスラスラ聞けたよ。

 どうもありがとう」

「まあ、役に立ったなら、いいけどな~」

2人は肩を組みながら、

タクシー乗り場に向かいました。

 

 

「私が思うに、その噂の人は、

 劇場型な感じがしたんだ」

 

「劇場?シアターの?」

 

「そう。Uを安心させることが出来そうだよ」

 

「どういうこと?」

 

「その人は、ギャラリーを欲している。

 なら、百輪村の閑古鳥のバーには、無縁だろう?」

 

「E、おまえ、悪口言ってない?」

 

「違うって。ただの事実。

 ・・・ただ、たまに百輪村のことが

 テレビで報道されることがあるから、

 その時にひょっとすると

 観光客と一緒に来るかも」

 

「うわあ。来る可能性はあるんだな」

 

 

それからしばらくして、Eの予感は当たりました。

 

百輪村のSのラーメン屋がテレビで報道されたとき、

同時に村内の地図がテロップで出て、

カフェバーがあることにも言及されました。

 

そのため、また多めの観光客たちがやってきました。

 

いつもよりも夜のカフェバーがにぎわい、

Uは忙しそうに店を回していました。

 

一通りの客にドリンクを配った頃、

一人の客がカウンターで大きな声で言いました。

 

「なんですか、この店のバーテンダーは。

 ぜんぜん仕事が出来てないんですね」と。

 

店内の客たちがびっくりして、

その人に目線を集中します。

 

指摘されたUは、しどろもどろになりながら、

「お客様、どうぞお静かに願えますか?」

と、たしなめました。

 

大声を出した男性は30代前半くらいで

品のよさそうなスーツを着ており、

とてもクレーマーには見えない風情です。

 

その人は、メガネの奥から目を光らせ、

「温度設定がなってないですね。まずいです。

 百点中、15点です。

 別の物を作ってください!」

と、さっき注文して一口飲んだだけのカクテルを

Uに押し戻しました。

 

店内が、すこしざわめきます。

 

「・・・かしこまりました」

Uは、別のカクテルを丁寧に作りました。

 

 

(続く)

 

 

 

 

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(おまけコーナー)

 

番外編の3話めで、今更なのですが、

「Uって誰?」という人がいらっしゃいましたら、

本編でのUの初登場回がこちらです。

 

 

どうぞ合わせてお楽しみください口笛