登場人物名は、アルファベット表記です。
(和名と英名の、覚えやすい方で読んでください)
E(村長・小学校教諭) 栄一 エデンD(大工) 大吾 デイビッドU(バーテンダー) 梅吉 ウニー
では、本編をどうぞ。↓
見えない評価(1)
「おーい、E。久しぶりにバーで飲まないか?」
と、小学校の窓の外から
大工のDが声をかけてきました。
放課後の戸締りをしていた
先生のEはDに笑いかけ、
「いいね。じゃあ、2時間後にバーで落ち合おう」
と、約束しました。
一度家に帰ったEは、
妻と息子とともに夕食を済ませ、
友の待つバーに足を運びました。
Dもまた、村の自家製パンとチーズとハムなどで
自宅で軽く夕食を取った後、バーに来ています。
百輪村にあるそのカフェバーは、
以前はEが運営していましたが、
今は学校の先生になったため、店をまるごと、
見習いだったバーテンダーのUに譲りました。
店に入ると、Dがカウンターに座っていて、
Eに片手を上げました。
Eも手を振り返して、Dの隣に座ります。
「E村長、お店に来るの、久しぶりですね!
あまりいらっしゃらないので、寂しいですよ」
と、バーテンダーのUが苦笑いしました。
Eは、百輪村の村長も兼ねています。
「ごめん、ごめん。授業の準備が多くてね。
ウオッカ・リッキーをもらえるかな」
「かしこまりました」
Eは作ってもらったグラスを、
すでに少し飲んでいるDのグラスと乾杯し、
ライムをマドラーで静かにつぶし始めました。
Dはウイスキーのオンザロックが好みで、
ふだんから良く飲んでいます。
しばらくDとEが雑談で盛り上がっているときに、
バーテンダーのUがすまなさそうに
話題に入り込んできました。
「あのう、村長、実はちょっと
相談したいことがありまして・・・」
「どうしたんだい?」
「最近、妙な噂を聞いたんですよ。
”バーテンダーつぶし”って
・・・聞いたこと、あります?」
「いや、ないよ。でも穏やかな言葉じゃないね」
EはUの話を詳しく聞こうと、体を前に出します。
「何だよ、それ。怖いな~」
と、Dも顔をしかめます。
「まさかこんなド田舎に来るとは思いませんけど、
その筋では有名なお客さんがいるらしいんです。
都市部の方で、あちこちのバーに出現しては、
その店のバーテンダーの矜持を
へし折るらしいんです」
「なるほど・・・すごい人がいるんだね」
「そんな怖い人が現れたらどうしようかと思って。
考えただけで身震いがしますよ」
Eはライムを軽く押し潰しながら、しばらく黙って考えていました。
Uの怯えた顔が、グラス越しにゆらめきます。
「・・・わかった。Uがそんなに怖がってるなら、ちょっと調べてみるよ」
Dは「じゃあ、俺もついていく。都市伝説を解明するみたいで、面白そうだな」
と言って、笑いました。
(続く)
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(おまけの話)
いつも小説をお読みいただき、
圧倒的感謝です![]()
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小説「百輪村物語」の本編は
完結しましたので、
今後は、番外編をUPしていきます。
本編の方は、2部構成となっていて、
1部は、村が形となる話がメイン、
2部は、村の発展の様子を書き記しました。![]()
(本編はおおよそ時系列です)
番外編の方は、
村よりも人物の方によりスポットライトを当て、
・ 本編のこぼれ話や裏話
・ スピンオフ
・ 登場人物たちが別の世界観で動く話 など
を予定しております。![]()
本編よりも軽いテイストになるので、
楽しんでいただければ、嬉しいです![]()
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