シリーズものの小説です。(←ほっこり系)
(未読の方は、通し番号でお読みください。
 41からでも、各章のみでも読めます、たぶん。)

 

登場人物名は、アルファベット表記です。

☆主人公は、村長のEと大工のDです。
 
E(バーテン&村長)栄一  エデン
K(美容師)    加恵  カーラ
O(スタイリスト) 織江  オリーブ
A(靴屋・ボス)  悪久太  アーク
B(靴屋の妻)   若葉   バーバラ
C(牧場主)    千太郎  クリス
D(大工)     大吾  デイビッド
 
 

では、本編をどうぞ。↓

 

 

見えない嫉妬(4)

 

Oは、単刀直入に切り出しました。

 

「ねえ、E。

 私は、あなたの昔のことを良く知ってるわ。

 でも、Kは知らないでしょう?

 あの子に、あなたの重い過去を支えることなんて

 できやしないわ。

 ねえ、やり直せない、私たち?

 私なら、Kよりももっと・・・」

 

Eは、手で話を制しました。

 

「O、過去はもう、ここにはないんだよ。

 君は、テレビで私の名前を聞いて、

 古い記憶を呼び起こしたに過ぎないんだ。

 

 私も、そういうところがあった。

 自分で自分の荒れ果てた過去を掘り出しては、

 自分を責め続け、今ここを生きられなかった。

 

 けれど、Kが救ってくれたんだよ。

 過去をひっくるめて今を肯定してくれたんだ。

 だからKに、とても感謝している。

 

 君も昔のことにこだわらないで、

 前を向いて歩いてくれ。

 

 その姿を見ればわかるよ。

 村を出て、シティで成功したんだろう?

 

 いいじゃないか、それが君の道だ」

 

「・・・もう、私たちは無理ってこと?」

 

「その舞台は、もう幕切れだ。

 アンコールもないし、だれも喜ばないよ」

 

「・・・」

 

Oは、アップルサイダーをまた

ストローで吸ってみましたが、

昔よりもおいしくないように感じました。

 

まるで、魔法が解けたように、

冷静に戻れたOがいました。

 

「・・・わかったわ。

 私、アチダ国に帰る」

 

「うん、そうか。元気でね」

 

「・・・もう、会えない?」

 

「友人としてなら、また会えるよ」

 

「・・・友人。・・・そう。

 ・・・じゃあ、また」

 

Oは、カフェバーを出て行きました。

 

失恋で泣いてしまうのかも、と思ったのですが、

むしろ、どこか、清々しい気分でした。

 

(過去のEだったら、

 友人なんて言葉、一生使わなかったはず。

 あんなに優しくなっちゃって・・・

 いったい、誰なのよ、もう。

 本当に変わった・・・別人だわ・・・)

 

Oは苦笑しつつ、スーツケースを取りに、

Kの理髪店に足を向けました。

 

 

 

 

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(おまけ)

 

小説のイメージ・マンガです。

 

(細かいセリフは読みにくいと思うので、

 小説の方を読んでください)

 

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GW中は、マンガを描いて終わりました。

 

デレるEを描いてる私が、Eにデレてました。

はあ、E・・・。好きハート
 
(訂正)
マンガ2枚目の一コマ目が間違えてました。
× Kは今どこで何をしてるの?
〇 Oは今どこで何をしてるの?
 
 

本日もここまで読んでくださり、

圧倒的感謝ですキラキラキラキラお願いキラキラキラキラ