複数で洗濯物を取り込むときは、

一人がベランダに出て、

洗濯物がぶら下がっている

ピンチハンガーごと、室内にいる人に渡す。

 

受け取った人は、居間にある

室内物干しにそれを吊り下げる。

 

それを3回繰り返し、

あとは物干し竿のバスタオルを

回収して終わるのが、我が家流。

 

昨日の寒空の夕方、私が外へ出て、

夫がそれを受け取る側だったのだが、

私がバスタオルを回収しているときに、

夫が出入り口のサッシをパタリと閉めてしまった。

 

バスタオルを持ったまま室内を見ると、

夫がニヤニヤしながら、ドア枠を抑え、

サッシの鍵を閉めようとしているのが見える。

 

「ほう、そうですか・・・」と思って、

真顔でしばらく突っ立っていたら、

夫は3秒後に開けてくれたので、入れた。

 

綿シャツしか着ていなかったので、

数秒でも寒い体感をしたし、

ちょっとしたからかいを受けて、

心もまた冷え込んだ。

 

******

 

まあ、このようなイタズラ事は、

これまでにも何度もあったし、

その都度私は、本気で腹を立てていた。

 

夫の子どもじみたことが許せなくて、

「いつかぜったいに熟年離婚してやる」と

これまで、何度、腸を煮えくり返らせたことか。

 

ましてや、最近、「夫がいてくれてありがたい、

この夫と生涯一緒でいよう」と改心してた矢先に、

またもやこんなことをされて、

過去の自分に戻ってしまいそうになった。

 

表立って怒りもしないが、ニコリともせず、

バスタオルを室内の物干しにかけると、

私は台所に移動して、夕飯を作り始めた。

夫は、自室で、昼寝(夕寝)をはじめた。

 

料理中もイラつきが収まらないので、

コートのポケットに入っている

カウンターを持ってきて、

野菜炒めをしながら、

「ありがとうございます」と何度もつぶやいて、

カチカチと数を数える。

 

296回カウントして、平静さを取り戻した。

 

また、日記にも、今回のことを書きなぐり、

「ベランダ締め出しは、精神的にも苦痛なり。

 このようなことは、地球上では、

 今回の私で終わりになりますように」

と、祈って、ノートを閉じる。

 

夫の行動を早く忘れてしまおうと努力するが、

その後も廊下のすれ違いざまに何度も

「ベランダ人間~♪」などとからかわれて、

「くっ・・・。(あなたの所業を)忘れようと思ってるのに」

と、眉間に縦皺&血圧上昇。

(ちなみに、私たちはアラフィフですわよ)

 

ここで売り言葉に買い言葉

(「あなたもベランダに出なさい」等)をすると、

いつもと同じパターンに成り下がるので、

「これも修行。楽あれば苦あり。苦あれば楽あり」

と、深呼吸して、やりすごした。

 

*****

 

今朝も、「おはよう」と声をかけたら、

「お、今日もベランダに出るのか」と

からかってくるので、

一言ポツリと「寒くて死ぬかと思ったよ」

と、つぶやき声が出た。

 

そうしたら、夫は黙り、

温かいコーヒーを作って、差し出してくれたのだった。

 

美しい女に、冷えは大敵ですわよ。あと、怒りも。