朝、駅前で、
宗教のパンフをかかげた
二人組が道端に立っていて、
目の前を通る通勤客に
「おはようございます」と
かぼそい声をかけている。

彼らの前を通りたくないなあと、
毎度思う。

目を合わせないよう、
うつむいて通り過ぎるのが常だった。

が、今日はふと、
自分に問いかけてみた。

「なぜ苦手意識があるのか?」

「えー、だって、恥ずかしいよ」

「恥ずかしいのは、むこうなんじゃないの?」

「えっ?!あ、そうか!」

猫背になってた姿勢を
私はシャキッとまっすぐにできた。

そして、彼らの前を颯爽と通過した。

「おはようございます」と
横から小さな声が聞こえたので、
一瞬軽く頭を下げたが、
すぐまた背筋を伸ばして
ズンズン歩き続けた。

私自身はなにも
恥ずかしいことはなかったのだ。

今日、初めて気づいた。