怒りが爆発したのは、木曜日の夜のことだった。


パートが始まると、契約書とか交通費申請などの

書類をいくつか提出しなくてはならない。


木曜日に「提出はまだ?」と上司に言われたが、

郵便局に行かないとわからない箇所があったので、

「有休の金曜に、支店コードを聞きに、郵便局に行きます。

 なので提出は、月曜日でよろしいでしょうか?」

と事情を話し、それで了解を得た。


ところがその上司が、なぜかその後、うちの夫に電話をして、

「OOとXXだけは、早く提出してもらいたいんだ」

ということを伝えたらしい。


帰宅した夫が、

「おい、OOとXXを、明日、俺が持っていくから、出せ。

 なんで、すぐに、書類を出さないんだ?!」

と、ものすごく不機嫌な様子で私に怒鳴った。


「え、だって、まだ調べることがあるし、

 フルタイムだから郵便局にいけるのは明日だけで、

 提出は、月曜日で良いって、いわれたのに・・・」


「まったくおまえは、トロいやつだな。

 出すものは、さっさと出すんだよ!

 おまえんとこの上司が、俺に電話してきたんだぞ。

 俺に恥をかかせるな!


私はまだ未提出の書類を出して、

空欄を埋めようとしたが、

夫の最後のセリフに我慢できなくなり、

そばにあった新聞紙に

持っていたボールペンでグシャグシャと書きなぐったあと、

なんだよ!こんちくしょう!

 好きで働くことになったんじゃない!!

と、その新聞を床にたたきつけた。

ついでに、ボールペンも、床に投げつけた。


夫は、私の剣幕に絶句し、

次女はびっくりして大泣きし始めるしで、

我が家は修羅場みたいになった。


次女の泣き叫ぶ様子を見て、

内心「しまった」とは思ったが

激怒から謝罪への心の切り替えが

すぐには出来なかった。


長女がすぐ飛んできて、

次女を別室に連れて行ってくれた。(ナイス、長女)


二人きりになった居間。

夫は、カウンターの向こうの台所で、

ご飯を食べ始めたが、うまく飲み込めない様子で、

口を小さくもぐもぐしている。


私は「わー!」と一言ほえて、涙をダーダー流した後、

震える手で書類を書くことにしたが

字がゆがんで、数字を書き損じた。


「ちくしょう!間違えた!」

私は立ち上がって、

うなりながら修正テープを探し、直す。


食事もそこそこに、夫は、自分の部屋に入ってしまった。


そこへ、あとを追うようについていき、

「ほら!ここ!ハンコ!」

と、夫のハンコを求めた。


(私が先日、シャチハタで押そうとしたら、

 「俺の普通のハンコを使え」と言ったから)


夫は無言で、ハンコを押した。


書類を全部、食卓において、私は寝た。

(寝る前に、次女にあやまっておいた)


翌日、食卓を見たら、OOとXXの書類が無い。


・・・。

まったく。

給与の振込先を、ゆうちょにしようと思ってたのに。

番号のわかっている地方銀行になっちゃったじゃないの!


勝手に約束して、勝手に持って行きやがって!フン!


しばらくして、落ち着いて考えてみるに、

私は、仕事をすることには、ほぼ納得がいっていたが、

夫のセリフにカチンときたのだと思う。


自分で勝手に私に仕事先をおしつけたあげく、

「俺に恥をかかせるな」という

凡てにおいて一方的なその言い分に、

ものすごく怒りを感じたのだ。


また、上司についても、怒りが増す。

月曜日でよい、と言ったじゃないか。

「金曜は有休ですけど、午前中に、持参しましょうか?」

と、私が提案したときには、「そこまでしなくていいよ」

と返事しただろうが。なのに、なぜ夫に電話するかなー?!


後日、長女に、私が怒った理由を話したら、

「うん。そこは、怒っていいと思うよ」と理解してくれたので、

かなり、うれしかった。



私はこれまで、過去記事で

怒りのツボ

怒りを静める

などの記事を書いてきた。


ずっと、「怒りは悪いものだ」と思っていたから、

どんなことであろうと、

「怒るのは、私の修行が足りないせい」と

自分を押さえ込むことを美学としてきた。


けれど、理不尽なことを言われたりされたりしたら、

今後は怒っていい、と、自分に許可することにしたよ。


自尊心のために怒ることは、

自己肯定につながることだ、と確信した。


私は、もう、がまんしない。


怒るときは、怒るぞ!てやんでぃ!


(夫は、日曜日の今も、まだちょっと元気が無い。

 ふん。静かで良いわ。)