馬を早く走らせるために、

目の前にニンジンをぶらさげるという手がある。


私の場合は、コーヒーかな。


冬になると、冷水での皿洗いがきつい。

なので、シンクにたまりがちになる。


たまった家事をやろうと決めたら、

私はまず、コーヒーメーカーで、コーヒーを作る。


出来たら、カップに一杯注いでおき、

いつでも飲めるように、

目の前のカウンターに置く。


皿を全部洗ったら、これが飲める、ということ。

しかも、少し急がないと、さめてしまうんだ。


こういうちょっとした緊張感を作って、

あとは、一心不乱に皿洗いにとりくむ。


とうとう全部やり終わって、心でガッツポーズ。


冷えて赤くなった手でコーヒーカップを取ると、

あったかいぬくもりが、緊張をほぐしてくれる。


*****


ブランドバッグとか宝石とかの

高価なご褒美などは、特に必要ではない。


今回のご褒美となっている一杯のコーヒーも、

別に働いたときだけ飲んで良いというわけじゃなくて、

好きなときにしょっちゅう作っているものだ。


なんの変哲も無いコーヒーが、ご褒美になるのは、

「はい、これがご褒美ね」と、私がそう決めたから。


本当は、皿を洗うのが面倒、という気持ちを、

どうやって動かしていくかが問題であって、

ご褒美の内容は、あまり関係が無い。


皿を洗うこと自体が喜びであり、報酬である、

という気持ちになるまでは、

たぶんまだまだ「プチご褒美制度」は必要だろうが、

たかがコーヒー一杯で稼動する自分を

かわいいよな~、なんて、思ったりもする。


・・・と、考えているうちに、飲み終えた。


は~、コーヒー、おいしかった。ごちそうさま♪