今まで、あまり人のことを

かわいそう(可哀相)、と思ったことがなかった。


他人に対して、無関心だったせいもある。


また、かつて働いていた頃、

ある仕事で失敗したときに、同僚が私に

「かわいそう」と声をかけてくれたが、

私は自分のことを

まったくかわいそうとも思っていなかったので、

なぜそういう風に言われたのか理解できずにいた。


いったい、かわいそうとは何なのか?

どういうときに使う言葉なのか?

と、ずっと疑問であった。


理詰めで考えても、

感情というものは、理解できないものだ。



しかし最近、

自分の中の感情を受け入れてから、

少しずつ、他者に対しても

目線を向けられるようになった。


そして、「かわいそうだな」

と思える人を2人、立て続けにテレビで見た。


一人目は、とある政府の民兵。

その人は国から麻薬をもらってハイになり、

女性や子どもたちを虐殺したという。


麻薬を摂取している間は、

人殺しをした苦しみを、忘れていられるらしい。


薬をやめたときの、その人の苦しみを想像したら、

なんともやるせない気持ちになった。


もう一人目は、とある芸能人の方。


大食い番組によく出るお笑い芸人さんなのだが、

「ぼくは、いくら食べても満腹感を感じないんです」

と、ポツリと言っていたのが、印象的だった。


「満腹感って、とっても幸福なことなのに、

 それを感じられないとは、かわいそうなことだ」

と、こちらがせつなくなった。


「たくさん人を殺しやがって」とか

「飢えている人もいるのにバカスカくいやがって」

などと、普通なら怒りを感じてもいいのに、

その人の苦しみ悲しみを想像したら、

怒りなんてちっとも湧かず、ただただ、

悲しい気分になってしまうのだった。


これが、かわいそう、という気分なのかな。
っていうか、人間って、せつない・・・。

悲しい色やねん。(by 上田正樹)