(前記事のつづき)
妊婦に尋ねた。
「養うって、急に言われても。
それって、本当に私の子供?」
「はい。あなたのまいた種が
ここまで育ちました」
「あ、わかった。これって、因果律のことか。
子どもは、結果という話だな。
で、養うって、・・・夢のバーで働いて
生活費を出すこと?」
「養うのは、あなたの目です」
「は?」
「あなたの仕事は、種をまくこと。
私の仕事は、産むことです。
生まれた子供は大地で自然に育ちます」
「生みっぱなし?
それって、無責任発言じゃないの?」
「子どもを育てるのは、大自然の責任です。
あなたの責任は、生まれた子を見て、
そこからまた品種改良し、新たな種をまくことです。
だからこそ、目を養ってください、と言っているのです」
「えーっと、・・・でもさあ、
生まれてくる子が常に優秀とは限らないよね?
そんなバンバン種をまけとかさー、
貧乏子沢山みたいなのは、正直、つらいよ」
「あなたがつらいのは、
子が優秀ではなかった時のことを考えるからでしょう?
私も、生み出すのが仕事なので、
どんな子が生まれてくるかはわかりません。
けれど、どんな子も愛しいことに変わりはないのです」
「そりゃあ、はらむ方は、可愛いでしょう。
でも、こっちは、結果が怖くて
ビクビクしながら、種を蒔くんだよ」
「あなたの仕事は、最高なのですよ。
もっと自信を持ってください。
次の種はどんな風にしようかな、などと
工夫出来るのだから、ワクワクするポジションですよ」
「ああ、なるほど。そういう見方もあるか。」
「私はただ時期を待つだけ。
つまらない時もあります。」
「いやいや、そうおっしゃいますな。
大切に内包してくださるからこそ、
子もスクスク育つのでしょう。
あなたの愛情も素敵ですよ!
生まれるまでの時間もありがたいものですね」
「はい、そうですね。ありがとうございます。
最初にあなたに養ってほしいと言ったことの意味、
わかっていただけました?」
「はい。大事なことを教えてくださり、
ありがとうございます。
もう少し、自信を持つことにします。
愛情とお体を大切に。」
「あなたも、目と知性を大切に。」
私の中の、オリジナルな男性原理と女性原理が
なんだか和解して仲良くなったような…。
仲良きことは、美しき哉。