「ろうそくよ、火をおそれるな。

 それが、お前の使命なのだから。」


ふと、頭の上から、声がした。


そうか。

私は、周りを照らしたいと思いながら、

その一方で、

自分が融けてしまうのが怖いんだ。


けれど、存在理由が、

この場でわが身を燃やし尽くすことならば、

この怖さそのものを捨てて、

照らすことだけを考えよう。


火をつけてもらい、じっとしていたら、

なにかが、ゆるゆると融けていく。


溶けて消えゆくのは、

いらぬ頑固さ、だった。