先日、近所の小学校で、絵本の読み聞かせをしてきた。

すでに机は後方に片付けられて、
前方が空きスペースになった
4年生のクラスに入る。

私は自己紹介してから、用意された椅子に座る。

子どもたちは私の周りに車座に座っている。

が、読み始める前から、歩き回る生徒がいる。

一行読むごとに、
「聞こえませーーん」
「見えませーーん」
と野次が飛ぶので、
「ごめんねー」とあやまったら少し静かになった。

内心「今日はやりづれぇ~」
と思いつつも、淡々と読み続けた。

するとしばらくして、
野次っていた男の子たち3~4人が、
一番前にやってきて
私に足を向ける形であおむけに寝ころび、
下から本を見上げている形になった。

担任の先生が小声で
「起きて座りなさい!」
と注意するが、
「だって、こうしないと見えねぇもん」と言う。

私は先生に
「このままでいいですよ」と言った。
野次でうるさいより、よっぽどいい。

読み進めていたら、ふと足に違和感あり。

あおむけになっている子のひとりが
上履きを脱いだ靴下の状態で、
私の足の甲や足首辺りをそっとさすっているのだった。

私は知らん顔して読んでいたが、
「かわいいヤツめ」と
心でニヤニヤした。

読み終わると、私の持っていた本をひったくり、
寝たまま状態で、横の仲間と最初の方を確認し始めた。

終わりの挨拶を他の子どもたちにしてから、
「気に入ったなら、学校の図書室や図書館で借りてね」と
寝ている子たちに声をかけて、
本を返してもらった。

私は、さっきの、右足首辺りの
温かな感触を思い起こしながら、
学校をあとにする。

最近、4年生の一部で、
先生を困らせているという話を以前から耳にしていた。

が、彼らは根はイイコなのだろう。

上履きを脱ぐ優しさはあるのだから。