これまでの自分の歩みを振り返ってみる。

元来私は人のために
雑用仕事をするのは嫌いではない。

命令されれば、すぐその通りにする
フットワークも軽い方だ。

ただ、命令する側の言葉を鵜呑みにしてしまうために、
かえって期待に添えないことが多かった。

例えば「喉が乾いた」と言われて
すぐに牛乳を持って行くと
「なんでお茶を持ってこないの?」とか。

万事この調子で動けば動くほど、
全て空回りし、相手をイライラさせてしまった。

どう動いても相手を満足させることが出来ない私は、
自分を無能と思うようになり、
何かをするのが怖くなり、
命令が怖くなり、人生に絶望した。

「生きていても仕方がない」と考えた。

すると、大学生の時に
「生きているだけでいいんだよ」
と内側から声がした。

何をやっても自他共にうまくいかない私だったが、
とにかく天寿だけは全うしようと決めた。

何もしなくていい。
ただ生きて自然に死ぬべし・・・。
それが神の望みなのだろうと思った。

私は自分の人生にあきらめを抱えたまま、再び歩きだした。

楽しいとか苦しいとかの全ての感情を凍りつかせて、
ただ死ぬまでの時をやり過ごそうといた。

死という安らかなゴールを待ち望むゾンビ状態。

他人は私に無理な命令をしては罵倒してくる敵でしかなかった。

退屈を紛らわせてくれる読書と孤独と時間が私の友達だった。