小鳥が一羽、
木の枝に止まって、涙した。
「歌を忘れた。どうしよう・・・」
太陽が言った。
「鳴きたい時が来たら、鳴けばいい。
自然に出るのを待てばいい。
それが本当の声なのだから。」と。
小鳥はうなづき、何年も静かに待った。
すると、昔のことをよく思いだした。
「うるさいって言われるかな?」
「きらわれたくない。静かにしてよう」
「自信がないよ、練習してないし。」
「やっぱり下手だ。もう嗚きたくない」
「また失敗するかも」
「もっと完ペキに出さなくちゃだめだ」 etc・・・
そんな心のさえずりが、
一番うるさくて、邪魔だった。
心の中を、静寂で満たした。
空を見あげながら、
雨の日も風の日もじっと耐え、
その時を、さらに待った。
もうだめかと、あきらめかけたその時に、
朝日が小鳥を橙色に染めた。
・・・あ!思いだした。一番大切な歌!
小鳥は飛んだ。歌った。のびやかに。
喜びにあふれ、もう悩みはなかった。
輝く太陽と地球と小鳥は、一つになった。