私は人と会うのが苦痛だった。


「その人と会ったときに、

 どんな会話をすればいいのか?」

それがいつも悩みの種だった。


人と人が出会い、会話をするのは、

お互いの貴重な情報交換をするためである、

という考え方が、ずっと抜けなかった。


たとえば、これから車の好きな人と会うときには、

車の予備知識を入れておかないと駄目だろうな、

などととらえ、考えただけでめまいがした。


人によって、趣味や考えていることが違うので、

下準備で情報収集するのがとても苦痛で、

「とにかく人に会わなければいいんだ!」

という結論に達した。


けれど、最近になって、やっとわかった。

「相手は、私からの情報が欲しいわけではない」

ということを。


むしろ、「相手にとっては、会話の内容なんて、

 ほぼ、どうでもよい」

(=私が思っていたほど、重きを置いていない)

らしいのだった。


会うこと自体が貴重だったり、

会話の内容よりも、

楽しく会話しているという雰囲気の方が

重要のようだった。目から鱗。


だから、私が用意するのは、

・会ったときのニッコリ笑顔

・興味深く相手を見たり話を聞く姿勢

・去り際のニッコリ笑顔

の、3点セットで十分とわかった。


それからは、

人に会うのがそれほど苦痛ではなくなった。


事前の話題準備をやめると、なんと楽なのだろう。


今後は、情報偏重な自分を、改めることにする。