学校から帰宅後の長女が

プリプリしているので訳を尋ねたら、

「この間、お母さんを紹介したのに、

 あいつ、全然変わってないよ!」

と、友人Pちゃん(仮名)のことを怒っていた。


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Pちゃんは、長女の同級生。

学校の友人関係でずっと悩んでいたPちゃん。


相談に乗ってあげた長女だが、

彼女が釈然としない様子だったので、

「じゃ、うちのお母さんに相談するといいよ」と

長女は勝手に私を指名したらしい。


Pちゃんは放課後うちにやってきて、

私と話をしたいというので、耳を傾けた。

Pちゃんと面と向かって

マンツーマンでお話しするのは

今回が初めてだ。


経緯を一通り聞いて、アドバイスをしたら、

Pちゃんは少し涙ぐみつつ、何かわかったようだった。


それから1ヶ月ほど経って、

少しは様子が変わったのかなと思っていたら、

冒頭の、長女の怒りである。


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「なるほどねえ。

 ま、あなたが怒りたくなる気持ちはわかるけど、

 Pちゃん本人が現状を変えたくなければ、

 だれが相談に乗っても同じなんだよ。」


「そういうもんかなあ。

 私ならお母さんのアドバイスの通りに

 するけれども。

 しょうがないのかなあ。」


「うん。しょうがないよ。こればっかりはね。」


などと、長女と話をしつつ、

私も変わったなあと我が身を振り返った。


以前の私なら、

その人によかれと心を砕いてアドバイスしたのに、

それが何の役にも立っていないと知ったら、

隠れて一人で激怒したり

無力感に打ちのめされたりしていたはず。


でも今は、自分でも驚くほど、心が穏やかだ。


アドバイスは、

一方的に渡すプレゼントのようなもの。

受け取った相手がそれを大事にしようが、

ちらっとみて捨ててしまおうが、

それは相手次第なんだ。


アドバイスのお返しを期待しなくなった、

という自分に気づくことが出来たので、

私はひそかにPちゃんに感謝している。