暴風雨、といっても、心の中の話だ。


落ち込んでいるとき、心に暗雲が立ちこめ、

激しい雨と風が吹き荒れる。


視野が狭くなり、冷静な判断力が出来なくなって、

周囲に当たり散らすようになる。


先日、久しぶりに、この気分になったので、

「わあ、珍しい。懐かしいな。

 でもって、相変わらず、きついなあ~。^^;

 かつては、この中で、もがいてたんだよな。

 苦しむ人は、今もこの中にずっといるのか。」

と、苦痛に思うやら、懐かしいやら、

他の人について思いを馳せるやらで、

ものすごく、複雑な気分になった。


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そもそものきっかけは、長女のゲームソフト。

友人に貸したまま戻らず、5年以上が経過した。

長女も、とっくに忘れていた話だ。


が、そのゲームを次女がやりたいと言い出し、

しぶしぶ長女が、ほぼ音信不通の友人の家に

電話を掛けた。が、留守電が多かった。


このときに、嵐の兆候が心に現れた。

「うちの家族は、五千円損している!」

という思いが、私の心に、突然に発生した。


その後、立て続けに、脳内ストーリーが展開した。

「その子に、居留守を使われている」

「長女も次女も、被害者だ」などなど。


考えついたストーリーが、私の怒りに火をつける。

ゲームソフトを返さないその子に、怒りが湧く。


「ああ、いかんいかん。ソフトは、子供のもの。

 やりとりは、子供同士のこと。

 私には関係のないことだ。作り話よ、消えろ。」


と、冷静さを取り戻そうとするがダメで、


「もう一度、その子の家に電話しなさい!」とか、

「高額なソフトを、貸し借りするんじゃない!」とか、

気がつくと、長女に怒鳴り散らしている私。


いつもの冷静な私は、どこへいったのだ。


結局、連絡がついたあと、すぐに返してもらったので、

胸をなで下ろす。で、この話はもう終わるはずだった。


しかし、ソフトが戻ってきた途端、

長女が久しぶりにやりたくなったらしく、

次女が「やりたい」というのに、取り上げて、

自分だけで遊び始めた。 


レベルが低くなっている私の導火線は、

またもやあっさりと火がついて、

「次女ちゃんがやりたいって言ってるでしょうが!」

と、吠えたくなった。(というか、1度、吠えた。)


怒鳴るのをやめて、皿を洗うことにした。

が、今度は、長女ののんきな鼻歌が、耳に痛い。

「歌なんか歌うな!」と言いたくなるのをこらえる。

体中が、ヤマアラシの針みたいに尖る。


「うわー、こんな状態の自分は、やだー!」

と、心で叫び、一人、寝室に逃げた。


そこからは、レベルをあげるために努力した。

・深呼吸する。

・大の字に寝て、体の筋肉の緊張をほぐす。

・「姉妹げんかは、ふたりの問題。介入しない。」

 「ふたりとも、私の大切な娘。大好きだ。ありがとう」

 と自分に言い聞かせる。

・家族や近所の人の名前を1人ひとり当てはめ、

 「◎◎さん、ありがとう」を思いつくまま、心で連呼。

そして、その晩は、さっさと寝た。


朝起きたら、気分がいつもの調子に戻り、

すっきりした気分になっていた。台風一過。


もう長女が次女を差し置いてゲームをしていようが、

涼しい顔で見ることが出来るようになった。


次女がゲームを出来ないことも、裏を返せば、

次女の視力が守られることにつながる、と思えた。


嵐を抜けるのが、だんだん上手になってきた。

今回は一晩かかったが、

もっと最短で出来るよう、精進したいものだ。