昔々のお話です。



隣り合っているA国とB国は

いつも仲が悪く、戦争してばかりでした。



A国は、国民の誰もが赤色が大好きで、

赤い建物に住んでいました。

着ている服も赤、食べ物も赤いものを好みました。



B国は、国民が全員、白色が大好きで、

白い服を着て、白い食べ物を食べ、

白い建物に住んでいました。



国境ではいつも

「赤がいい!」「白が最高だ!」などという

怒号が聞こえ、争いが絶えませんでした。


長年の間ずっと戦争をしていたので、

当然たくさんの犠牲者も出ました。



ある日、A国の王様が

「こんな戦争をしてばかりでは、

 いつか両方の国民が絶えてしまう。

 この大地を作ったという女神の所へ行って、

 どっちの国が正しくて素晴らしいのか

 きちんと答えをお聞きしようではないか。」

とB国の王様に、手紙を書きました。



B国の王様は、それは良いアイデアだと思い、

「了解した。どっちの答えでも恨みっこ無しだぞ。」

と、返事を書きました。



というわけで、両方の国の大使が代表になり、

ふたりは連れ立って、

女神のいる場所に向かいました。



女神の住んでいる館は、

A国とB国からずっと離れた山の頂にあり、

ふたりは、何ヶ月かを歩いて麓まで行き、

さらに汗だくで、ふうふう言いながら

何十日もかけて山を登りました。


とても高い山なので、民家などありません。

ふたりは、野宿をしながら進みました。



やっと、館が見えてくる所まで来ると、

奇妙なことに、館までの道の両側に

一棟ずつ、巨大な倉庫がありました。



倉庫の中が気になったふたりは、

どうしても好奇心に勝てず、

誰もそばにいないことを幸いに、

そっと扉を開いてみることにしました。



右の倉庫の扉を開けると、それは冷凍庫で、

たくさんの氷が入っていました。

ものすごく中は寒かったので、あわてて閉めました。



一方、左側の倉庫の扉を開けると、そこは備蓄庫で、

たくさんの白い粉が入っていました。

指先でちょっぴりなめてみると、

甘かったので、砂糖とわかりました。



「砂糖は白い。・・・ということは、

 白い国のB国が素晴らしいと言うことだな?」

白い服を着たB国の大使はニヤリと笑いました。



「ちょっとまて!

 まだ女神様にお会いしてないのだから

 答えを出すのは早すぎるであろう!?」

とA国の大使は、顔を真っ赤にして怒りました。



砂糖の倉庫の扉を閉めてから、

赤と白のふたりは

口げんかをしながら、遠くの館へ急ぎました。


          つづく